タランティーノが“自腹”で電撃参戦! ポン・ジュノ監督は「スピルバーグのよう」
盛況のうちに先週末、幕を閉じた第18回釜山国際映画祭で、クエンティン・タランティーノと『グエムル-漢江の怪物-』や『殺人の追憶』で知られるポン・ジュノという、二人の鬼才監督による2ショット対談が実現していたことがわかった。
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ポン・ジュノ監督に会うため、滞在先のマカオから急遽“自腹”で駆け付けたというタランティーノは、最新作『スノーピアサー』が公式出品されたジュノ監督を「70年代のスピルバーグのようだ」と絶賛。サプライズ開催となったトークショーには多くの映画ファンが詰めかけ、大きな盛り上がりを見せた。
去る10月11日、釜山国際映画祭で行われた公開対談「オープントーク:クエンティン・タランティーノがポン・ジュノに会ったとき」。マカオを訪れていたタランティーノ監督は、そこでジュノ監督が本映画祭のために釜山滞在中であることを聞きつけると、面会を切望。自作の出品はなかったにも関わらず、自腹で電撃的に釜山入りしたという。
参加したタランティーノ監督は、「ポン・ジュノ監督が素晴らしい映画を作る監督という話はそれまでよく聞いていたけど、『グエムル-漢江の怪物-』を観たとき、驚きを禁じ得なかった」とコメント。続けて、「『殺人の追憶』は傑作だよ! スピルバーグの作品は恐ろしくもコミカルなように、ポン・ジュノ監督の作品にもユーモアがある」と絶賛した。彼自身が所有する名画座でも、この2本は上映したことがあるのだという。
一方、ジュノ監督は「タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』を観て、続けてデビュー作『レザボア・ドッグス』を探して観た。耳を切るシーンは本当に美しい。結末のシーンで血まみれになった主人公の姿は、圧倒的で荘厳でもあった」と返し、かねてからお互いを意識し合っていたという2人の鬼才監督は独特の表現でお互いを賞賛し合った。
タランティーノ監督が釜山国際映画祭を訪れたのは今年が初めて。元々予定にはなかったもので、彼は「実は、衝動的に来ることになった。授賞式のためにマカオに滞在していて、『イングロリアス・バスターズ』と『スノーピアサー』のキャスティングディレクターである友人のジョハンナ・レイが『ジュノ監督に会わせてあげるから、釜山に行かないか』と言ってきて、来る事になったんだ」と電撃訪問のいきさつを明かした。
実は2009年にタランティーノ監督がUCC動画で「私が最も好きな映画20編」で選んだ中に、ジュノ監督の『グエムル-漢江の怪物-』と『殺人の追憶』も含まれている。彼は『グエムル』について、「アメリカやほかの国ではこんなおかしな家族がスターになるなんてことは理解不能で、だからこそこの作品が面白く、これこそがジャンルを再構築するということなんだ」と大絶賛。これにジュノ監督は悔しそうな表情で「あなたの映画に登場する人物たちも本当に変ですよ」と切り返して観客の笑いを誘った。
残念ながらタランティーノ監督は、スケジュールの都合で『スノーピアサー』は未見。本作はフランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に、アクション、ドラマ、サスペンス、哲学などあらゆる要素が絶妙なバランスで盛り込まれた超級の近未来SFエンタテインメント。
タランティーノ監督と同様、斬新な映像、緻密な構成、完璧なストーリーテリング力で観る者を圧倒するポン監督が、『アベンジャーズ』の大ヒットも記憶に新しいクリス・エヴァンスほか、アカデミー賞女優のティルダ・スウィントン、オクタヴィア・スペンサー、さらにジョン・ハート、エド・ハリスら、初めてのインターナショナルキャスト、スタッフを迎えた全編英語作品をどう観るのか、非常に気になるところだ。
本作は、すでに公開された韓国では900万人を超える大ヒットを記録。日本でも業界関係者へのお披露目はまだこれからだが、今回の対談により一層大きな期待が高まっている。
『スノーピアサー』は2014年2月、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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