77歳でオスカー候補! ブルース・ダーンが語る俳優人生…『ネブラスカ』
『サイドウェイ』、『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督最新作『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』。主演は、ヒッチコック、コッポラ、タランティーノなど数々の巨匠に愛され、悪役のイメージが強いブルース・ダーンだ…
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キャリア50年以上にして初めて“ボロ雑巾のような父親”を演じ、2013年カンヌ国際映画祭で「最優秀主演男優賞」に輝いたブルース。そしてアカデミー賞「主演男優賞」にもノミネート、3月2日(現地時間)のアカデミー賞授賞式を目前に控えたブルースに直撃インタビューを敢行した。
本作は、「100万ドルが当選しました」というインチキな手紙にだまされ、周囲の反対を押し切り、はるか彼方のネブラスカまで賞金を受け取りに行こうとする頑固で寡黙な父親ウディ(ブルース・ダーン)と、それにシブシブ付き合う息子デイビッド(ウィル・フォーテ)のロードムービーだ。
ブルースがアカデミー賞候補に選ばれたのは、78年『帰郷』の助演男優賞以来、実に35年ぶりの2度目。レオナルド・ディカプリオ(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』)や、マシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズ クラブ』)ら、40歳前後の「主演男優賞」候補者の中で、77歳のダーンはひと際注目を浴びている。
ノミネート発表直後に、メディアが「ビールで乾杯ですか?」と質問すると、「ビールは酒じゃないからね。いまはコーラを飲んでいるけど、ビールを取ってこよう」と、映画の中の大酒飲みウディの台詞を引用して切り返したブルースは、さすがの大御所らしく余裕たっぷり。
しかし、本作の出演については「主役は久しぶりだ。25年ぶりくらいかな。ずっとそのほか大勢のひとりだった。重要な役を演じるのは身が引き締まるね」と謙虚さも忘れていない。
これまで反逆者や殺し屋など残虐な悪役が多かったブルースにとって、不器用な優しさと孤独を滲ませるウディ役は、「魅力的だった」と言う。「監督がチャンスをくれたんだ。長いキャリアでこんな風に感じたのは初めてだし、直感的に素晴らしい作品になると思った」とふり返る。
「監督とは9年前に初めて会って、本作について話し合った。決してスター扱いされるわけではないが、チームの一員として人々に大事なメッセージを伝えるチャンスだと感じたんだよ。“家族に言いたいことがあったら手遅れになる前に言え。でないと一生後悔する”ってね。言わずに悔やむのはバカげてる。だったら好きでも嫌いでも本当の気持ちを伝えたほうがいい。その機会を逃したら自分を許せないだろう。これがこの映画の主題だ。それを表現した彼は、非凡な監督だよ」と、監督を称える。
アカデミー賞授賞式には、「娘のローラ・ダーン、ビジネス・パートナーのウェンディ・ゲレロ、そして妻のアンドレアの3人と一緒に行くつもりだ」と話しているダーン。劇中の頑固なウディが回り道をして人生最高の当たりくじを引いたように、ダーンもキャリア初のオスカー像をもたらす当たりくじとなるか、発表に期待がかかる。
疎遠だった親子が、仕方なく始まった旅の中でジワジワと距離を縮め、確固とした絆を紡いでいく。本作を観た人たちもきっと劇場を出るころには、心がポカポカと温まり、早く家族に会いたいと思うはず。
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』は、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。
《text:cinemacafe.net》
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