【カンヌ国際映画祭】“カンヌの申し子”河瀬直美監督、パルムドール逃し「悔しい」
第67回カンヌ国際映画祭の授賞式が24日夜(現地時間)に行われ、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『ウィンター・スリープ』(原題)が「パルムドール」(最高賞)を受賞した。
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プレゼンターであるクエンティン・タランティーノとユマ・サーマンにトロフィーを渡されると「本当に驚きです。トルコ映画100周年にあたる今年に、この賞をもらえたのは幸せな偶然です」と受賞の喜びをあふれさせると、同時に「トルコの反政府デモで命を落とした若者たちに、この賞を捧げます」と語った。
『ウィンター・スリープ』は世界遺産・カッパドキアでホテルを営む元俳優一家の緊迫する関係を描く。トルコのイスラム社会のかかえる矛盾を家族ドラマとして描いており、3時間16分の大長編ながら、まったく飽きさせない。カンヌでは2003年に『冬の街』、2011年に『昔々、アナトリアで』で次点にあたる「審査員グランプリ」を二度獲得しており、『スリー・モンキーズ』('08)では監督賞も獲得しているジェイラン。
受賞会見では「僕は万年第2位なんだと思っていたから、意外でした。1位と2位では全然違いますね。本当に嬉しい!」と笑った。これまで日本では映画祭などでしか上映されていないジェイランの監督作品だが、過去にはカンヌの審査員も務め、4度の出品で全作品が大きな受賞しているという、まさに“カンヌの申し子”だけに下馬評も高かった。
同じく“カンヌの申し子”と言われる河瀬直美監督も『2つ目の窓』を最高傑作だとしてパルムドール獲得に意気込んでいたが、賞を逃し「正直、悔しい」と本音をぶちまけていた。
また、史上最年少の「パルムドール」受賞はならなかったが、25歳のグザヴィエ・ドランと、83歳のジャン=リュック・ゴダールという新旧の天才が「審査員賞」を同時受賞した際には、会場からどよめきが。まるで王位継承の瞬間を見たかのような瞬間だった。
<第67回カンヌ国際映画祭/主要受賞一覧>
【パルムドール】
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(トルコ)/作品:『ウィンター・スリープ』
【審査員特別グランプリ】
アリス・ロルバチェル(イタリア)/作品:『ワンダーズ』
【監督賞】
ベネット・ミラー(アメリカ)/作品:『フォックスキャッチャー』
【審査員賞】
グザヴィエ・ドラン(カナダ) 『マミー』
ジャン=リュック・ゴダール(フランス) 『言語よ、さらば』
【脚本賞】
アンドレイ・ズビャギンツェフ、オレゴ・ネーギン(ロシア)/作品:『リヴァイアサン』
【男優賞】
ティモシー・スポール(イギリス)/作品:『ミスター・ターナー』
【女優賞】
ジュリアン・ムーア(アメリカ)/作品:『マップス・トゥ・ザ・スターズ』
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