フランスの役所広司!? 不器用な背中に涙が止まらない!『グレート デイズ』
車イス生活を送る17歳の少年と、失業したばかりの不器用な父親の2人が、トライアスロンの最高峰レース“アイアンマン”という大きな夢に挑む…
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6月に開催されたフランス映画祭2014のオープニングを飾った本作は、数々のトライアスロンの大会で偉業を成し遂げ、世界中に感動と勇気を届けた実在のトライアスリート、ディック&リックのホイト父子にインスパイアされた物語。
仕事を理由に世界中を飛び回り、障がいを持つ息子と向き合わず、17年間ずっと子育てを放棄してきたポール。だが、「父親と一緒にトライアスロンに出たい」という息子の強い願いに駆られ、彼は少しずつ心を開き、特訓を開始する――。
本作で父親ポール役を演じるのは、主演作『最初の人間』(’11)でノーベル文学賞作家アルベール・カミュを好演したジャック・ガンブラン。これまで、幅広い役を数多く演じてきたフランスを代表する演技派俳優だ。
1957年生まれのガンブランは、『ペダルドゥース』(’95)ではゲイクラブで踊りまくるエリートサラリーマンに。1998年には今村昌平監督の『カンゾー先生』で柄本明、麻生久美子らと共演したこともある。翌99年には、フランスで200万人を動員し大ヒットした『クリクリのいた夏』に出演し、『レセ・パセ 自由への通行許可書』(’02)ではベルリン国際映画祭で「銀熊賞(男優賞)」を受賞した。
50代半ばになってもなお、主役を張り続け、多彩な役柄を演じることのできるガンブランは、フランス本国で抜群の知名度を兼ね備えている。日本で例えるなら、ハリウッドリメイクもされた『Shall we ダンス?』、アカデミー作品賞ノミネートの『バベル』から、『清洲会議』『渇き。』などまでも見事に演じ切る、役所広司といったところか。
本作でも、息子を受け入れるために奮闘する父親を熱演しており、映画評論家のきさらぎ尚氏は、「様々な分野の作品に出演して、どんな役でもこなすフランスの実力俳優。最大の魅力は何を演じていても肉体・表情・仕草から漂う大人の男性のエレガンスです。もちろん鉄人アスリートの今回も」と、ガンブランを評している。
ガンブランは、映像に真実味をもたせるため、実際にトライアスロンの3種目(スイム・ラン・バイク)を猛特訓したという。劇中、“アイアンマンレース”に出場するためにロッキー顔向けのトレーニングを積み、まるで息子と向き合えなかった17年間を詫びるように、そして失われたその時間を取り戻すかように、めげることなくひたむきに息子と共にゴールを目指す父親の姿には感涙必至。
いつの間にか、「頑張れオヤジ!」と声にならない声援を送っている自分に気づくことだろう。そして、フランス人とは思えない無口で不器用な“オヤジ”の姿に多くの日本人の共感を呼ぶに違いない。
『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』は8月29日(金)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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