フランス映画祭で「観客賞」受賞『エール!』、言葉を超えた感動に大喝采
6月26日(金)~29日(月)まで東京・有楽町にて開催されたフランス映画祭2015でオープニングを飾った『エール!』が、「ダフト・パンク」などのフレンチ・エレクトロを描いた『EDEN エデン』や、フランソワ・オゾン監督の最新作『彼は秘密の女ともだち』
映画
洋画ニュース
-
『トンイ』女優ハン・ヒョジュ、ミラノで自由を満喫!飾り気のない姿に“ほっこり”【PHOTO】
-
フランス映画祭開幕! 本国700万人動員の『エール!』ルアンヌ・エメラら登壇
-
「短くて面白い」が選ばれる新時代――新たな配信サービスの挑戦

フランスの田舎町で酪農を営むベリエ家は、高校生のポーラ以外、父も母も弟も全員、聴覚障がいを持っている。だが、美しく陽気な母、熱血漢な父とおませな弟の一家の合い言葉は、“家族はひとつ”。オープンで明るく、仲のいい家族だ。
だが、ある日、ポーラの歌声を聴いた音楽教師はその才能を見出し、パリの音楽学校のオーディションを受けることを勧める。夢に胸をふくらませるポーラだったが、彼女の歌声を聴くことができない家族は、彼女の才能を信じられず、大反対。ポーラは悩んだ末、夢を諦める決意をするのだが…。
2014年12月に本国フランスで公開されるや、観客を笑いと涙で包み、4週連続 1位、12週連続でTOP10入りを果たし、観客動員数750万人超えの大ヒットを記録した本作。奇跡の歌声を披露する主人公ポーラを演じるのは、人気オーディション番組で注目を集めた新星女優ルアンヌ・エメラ。本作で、セザール賞「最優秀新人女優賞」を受賞した。
同映画祭に併せて初来日を果たしたルアンヌと、エリック・ラルティゴ監督は、オープニングセレモニーに登壇、映画上映後には観客からの質問に答えるティーチインイベントに参加した。オープニングセレモニーで「日本に来られて本当に幸せです!」と嬉しそうに語った2人が、ティーチインイベントで舞台に姿を現すと、会場から大きな拍手が巻き起こり、2人も感無量といった様子に。温かい拍手に交じり、涙で鼻をすする音もいたるところから聞こえていた。
ルアンヌは観客からの質問に応じながらも、「フランスと日本の手話は違いますか?」と逆質問。すると、1人の聴覚に障がいのある男性が手話で「素晴らしかった! ブラボー! 全て理解することができました」と力強く応答し、そのやりとりを見ていたエリック監督は、「もし健聴者が日本語を覚えようと思ったら、きっと15年くらいはかかってしまうと思います。でも手話を使ったら、外国に行っても1日、2日でコミュニケーションを取ることができるんです。これは本当すばらしいことだと思います!」と発言。感極まった表情のルアンヌとともに、一体感あふれる感動的なトークイベントとなった。
言葉の壁を超えた感動と、涙と笑いに包まれ、会場から大喝采を浴びた本作。『最強のふたり』や『タイピスト!』などのように、今秋、ルアンヌの歌声が日本を圧巻することになるかもしれない。
『エール!』は10月31日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
特集
関連記事
この記事の写真
/