【シネマ羅針盤】夏の2大アニメ、個性で勝負『バケモノの子』『インサイド・ヘッド』
アクション大作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がロケットスタートを切り、豪快に幕開けた夏休み映画シーズン。例年以上に多くの話題作がひしめくこの夏、作り手の思いがこもった「個性で勝負」する2大アニメの公開が近づいている。
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アクション大作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がロケットスタートを切り、豪快に幕開けた夏休み映画シーズン。例年以上に多くの話題作がひしめくこの夏、作り手の思いがこもった「個性で勝負」する2大アニメの公開が近づいている。
1本目はいまや国内で最も注目されるアニメ作家となった細田守監督率いる「スタジオ地図」、待望の最新作『バケモノの子』だ。興収42億円を突破した『おおかみこどもの雨と雪』(2012)に続く本作は“バケモノ”と“人間”という本来交わるはずのない者たちの絆が、豊かなイマジネーションと緻密なリアリティによって、具現化された王道の冒険活劇。完成度の高さはもちろん、立体的なタイアップ攻勢も前作超えのヒットを導く要因となりそうだ。
そして、現在アメリカで破竹の大ヒットを記録している『インサイド・ヘッド』も見逃せない一作である。5つの感情が脳内で大冒険を繰り広げるファンタジー。こちらも非常に練り上げられた秀作で、何よりピクサー最大の武器であるオリジナリティがいかんなく発揮されており、ファンとして純粋にうれしくなる。近年、クオリティが不安定だったピクサー・アニメーション・スタジオが復調の兆しを見せていると文字通り“感じる”ことができるはずだ。
興味深いのは、どちらの作品も孤独な少年少女の視点から、未知なる世界を見渡すことで、見る者に将来への期待や不安、社会への怒りや絶望を抱いていた“あの頃”を思い出させるという点。加えて、家族のあり方が多様化する現代社会におけて「人間が成長するために、必要なものとは?」という普遍的な問いを投げかける点も共通している。やはり、夏休みはアドベンチャーが良く似合う。アニメ映画という色鮮やかな地図を手に、感性の冒険に出かけたい。
『バケモノの子』は7月11日(土)より全国にて公開。
『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。
1本目はいまや国内で最も注目されるアニメ作家となった細田守監督率いる「スタジオ地図」、待望の最新作『バケモノの子』だ。興収42億円を突破した『おおかみこどもの雨と雪』(2012)に続く本作は“バケモノ”と“人間”という本来交わるはずのない者たちの絆が、豊かなイマジネーションと緻密なリアリティによって、具現化された王道の冒険活劇。完成度の高さはもちろん、立体的なタイアップ攻勢も前作超えのヒットを導く要因となりそうだ。
そして、現在アメリカで破竹の大ヒットを記録している『インサイド・ヘッド』も見逃せない一作である。5つの感情が脳内で大冒険を繰り広げるファンタジー。こちらも非常に練り上げられた秀作で、何よりピクサー最大の武器であるオリジナリティがいかんなく発揮されており、ファンとして純粋にうれしくなる。近年、クオリティが不安定だったピクサー・アニメーション・スタジオが復調の兆しを見せていると文字通り“感じる”ことができるはずだ。
興味深いのは、どちらの作品も孤独な少年少女の視点から、未知なる世界を見渡すことで、見る者に将来への期待や不安、社会への怒りや絶望を抱いていた“あの頃”を思い出させるという点。加えて、家族のあり方が多様化する現代社会におけて「人間が成長するために、必要なものとは?」という普遍的な問いを投げかける点も共通している。やはり、夏休みはアドベンチャーが良く似合う。アニメ映画という色鮮やかな地図を手に、感性の冒険に出かけたい。
『バケモノの子』は7月11日(土)より全国にて公開。
『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。
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