良質!感動! 2015年もフランス映画の勢いが止まらない…『エール!』ほか
6月に開催されたフランス映画祭2015のオープニング上映を飾り、見事「観客賞」を受賞した映画『エール!』。2014年12月17日にフランスで公開されるや
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日本においても高い人気を誇るフランス映画だが、特に近年は、良質作が相次いで公開され、大規模公開ではなくても口コミで話題となり、結果、大ヒットやロングランに繋がっているケースが多い。感動の実話を映画化した『最強のふたり』(’11)や、第84回アカデミー賞で「作品賞」を含む5部門を受賞したサイレント映画『アーティスト』(’11)、そして、フランス映画祭2013で観客賞を受賞した『タイピスト』(’12)などが記憶に新しいところだ。2015年も続々上陸中の、名作ぞろいのフランス映画に迫った。
『アーティスト』でメガホンをとったミシェル・アザナヴィシウス監督が、チェチェン紛争によって家族と引き離れた少年を描く『あの日の声を探して』(4月24日公開)や、19世紀末にフランスに実在したもうひとつのヘレン・ケラー物語と称される『奇跡のひと マリーとマルグリット』(6月6日公開)、さらには、中年パン屋の妄想をユーモラスかつ官能的に描いた『ボヴァリー夫人とパン屋』(7月11日公開)、喜劇王チャップリンの遺体が盗まれた実際の事件が基に描かれる『チャップリンからの贈りもの』(7月18日公開)など、すでに話題作が多数公開されているフランス映画。
今年後半にも、フランス映画2015で脚光を浴びた、フランソワ・オゾン監督の最新作『彼は秘密の女ともだち』(8月8日公開)や、90年代パリのエレクトロ・ミュージック・シーンを駆け抜けた一人のDJの夢と挫折を描いた『EDEN/エデン』(9月5日公開)、ジュリエット・ビノシュ×クリステン・スチュワート×クロエ・グレース・モレッツが豪華競演する『アクトレス~女たちの舞台~』(10月24日公開)など、注目作の公開が控えている。
なかでも、「観客賞」を受賞した『エール!』は、フランスの田舎町で酪農で生計を立て暮らす、高校生の少女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、家族全員の耳が不自由ながら、笑顔の絶えない明るい一家の物語。ある日、ポーラの歌の才能に気付いた高校の音楽教師が彼女にパリの音楽学校のオーディションを受けることを勧めると、ポーラと家族の間に不協和音が生じ始める。自分の夢を優先したい気持ちと、家族を置いては行けないと葛藤するポーラの姿、娘が突然、自分たちの前からいなくなってしまう不安と娘の夢を応援した気持ちとで揺れ動く両親の姿、家族の愛の形をユーモアたっぷりに描き出している。
映画初出演にて主人公ポーラを演じたルアンヌ・エメラは、人気オーディション番組で注目を集め、本作の主演でスクリーンデビュー。セザール賞、リュミエール賞で「最優秀新人女優賞」を受賞し、いまフランスで最も注目を集める女優にして歌手。新星女優ルアンヌのフレッシュな演技、そして、本作の大きなテーマとなっている“旅立ち”は、これまでの数々のヒット作にも共通する要素。また、心に響く彼女の奇跡の歌声も、ぜひチェックしておいて。
《シネマカフェ編集部》
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