グランプリは21歳の新進監督! 第37回PFFアワード2015が各賞を発表
第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2015の表彰式が9月24日(木)、東京都国立近代美術館フィルムセンターで行われ、グランプリをはじめ、各賞が発表された。
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同映画祭は新しい才能の発見と育成、新しい映画の環境づくりを目的に1977年にスタートした、自主映画のコンペティションをメインプログラムとした映画祭。過去には、故森田芳光監督をはじめ、犬童一心、黒沢清、中島哲也、園子温、成島出、橋口亮輔、塚本晋也、中村義洋、熊切和嘉、深川栄洋、李相日、荻上直子、タナダユキ、内田けんじ、石井裕也ら名だたる監督たちがPFFアワード入選を経験している。
今年は応募総数577本のうち、20作品が入選。奥田瑛二(俳優・映画監督)、『るろうに剣心』の大友啓史(映画監督)、阿部和重(小説家)、PFFアワード入選経験者の熊切和嘉(映画監督)、元スタジオジブリの西村義明(プロデューサー)が最終審査員を務め、栄えあるグランプリには、応募当時21歳だった杉本大地監督の『あるみち』が輝いた。
杉本監督本人が主演を務めるほか、実の母親や友人も出演する自伝的青春ストーリー。杉本監督は「自分の物語として撮らせてもらった作品で、周りに感謝したい」と述べた上で、「人が死んだり、何かが爆発したりはしないが、内にある爆発や、現場の空気と匂いを捉えたかった。そこを皆さんにくみ取っていただき、うれしいなと思います」と喜びを語った。
奥田監督は「いい作品もあれば、ダメな作品もある。それでも撮り続ける、書き続ける、考え続けることで見えてくるものがある。映画製作という命がけの冒険に励んでほしい」と若き才能に熱いエール。各審査員も「自主製作とは何かという意義を、作品にどう反映させるかが重要」(阿部氏)、「作品をつくっていきながら、『この人に見てもらいたい』という視点が生まれると思う」(西村氏)、「映画を撮るしかないと腹をくくる人だけが生き残る」(熊切監督)と総評。大友監督は急きょ海外出張が決まり、表彰式には欠席した。
■PFFアワード2015受賞結果
グランプリ:『あるみち』杉本大地監督
準グランプリ:『ムーンライトハネムーン』冨永太郎監督
審査員特別賞:『嘘と汚れ』猪狩裕子監督、『ゴロン、バタン、キュー』山元環監督、『わたしはアーティスト』籔下雷太監督
エンタテインメント賞(ホリプロ賞):『したさきのさき』中山剛平監督
ジェムストーン賞(日活賞):『したさきのさき』中山剛平監督
映画ファン賞:『したさきのさき』中山剛平監督
観客賞:『いさなとり』藤川史人監督
日本映画ペンクラブ賞:『いさなとり』藤川史人監督
■PFFアワード2015入選作品
『甘党革命 特定甘味規制法』諸星厚希監督(21歳)
『あるみち』杉本大地監督(21歳)
『いさなとり』藤川史人監督(30歳)
『異同識別』佐々岡沙樹監督(32歳)
『嘘と汚れ』猪狩裕子監督(30歳)
『海辺の暮らし』加藤正顕監督(28歳)
『大村植物標本』須藤なつ美監督(24歳)
『帰って来た珈琲隊長』佐々木健太監督(30歳)
『ゴロン、バタン、キュー』山元環監督(22歳)
『THE ESCAPE』島村拓也監督(25歳)
『したさきのさき』中山剛平監督(24歳)
『チュンゲリア』峯達哉監督(26歳)
『ひとつのバガテル』清原惟監督(22歳)
『船』中尾広道監督(36歳)
『マイフォーム』跡地淳太朗監督(28歳)
『みんな蒸してやる』大河原恵監督(21歳)
『ムーンライトハネムーン』冨永太郎監督(22歳)
『モラトリアム・カットアップ』柴野太朗監督(22歳)
『幽霊アイドルこはる』井坂優介監督(26歳)
『わたしはアーティスト』籔下雷太監督(31歳)
《シネマカフェ編集部》
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