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【インタビュー】宮藤官九郎 as 川口たろう 大根仁監督の現場で感じた“リアリティ”

宮藤官九郎と大根仁。21世紀を迎えてからこの十数年の日本のドラマおよび映画カルチャーを語る上で外すことができない2人のクリエイター。ついにと言うべきか…彼らのコラボレーションが映画『バクマン。』において俳優と監督という関係で実現した。

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『バクマン。』宮藤官九郎/photo:Naoki Kurozu
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宮藤官九郎と大根仁。21世紀を迎えてからこの十数年の日本のドラマおよび映画カルチャーを語る上で外すことができない2人のクリエイター。ついにと言うべきか…彼らのコラボレーションが映画『バクマン。』において俳優と監督という関係で実現した。

サイコー(佐藤健)&シュージン(神木隆之介)の高校生コンビが、「週刊少年ジャンプ」のNo.1の漫画家を目指し奮闘する本作において、宮藤さんはサイコーの亡くなった叔父で、ジャンプの漫画家でもあった川口たろうを演じており、回想シーンのみでの出演ながらも、サイコーの心の師として、何とも言えない不思議な存在感を放っている。

大根監督は本作で、川口たろうが江口寿史とゆでたまごのファンであるという映画オリジナルの設定を加えているが、これは大根監督自身、江口先生の「ストップ!ひばりくん」、ゆでたまご先生の「キン肉マン」などが連載されていた時期のジャンプに最も熱中していたため。いわば、自らを投影したとも言える役柄を同世代のクリエイターである宮藤さんに託した。

宮藤さんにとっては映画版『ゲゲゲの女房』に続く漫画家役。2度目だからというだけでなく「漫画家という仕事を遠いものとは感じなかった」という。

「昔読んでた『まんが道』(※藤子不二雄の自伝漫画)にGペンとかケント紙とか漫画を描くための道具が出てくるんですけど、元々、うちの実家は文房具屋でそういうものが全部あったんです。漫画を描きたいという憧れはすごくありました。実際、僕も一時期、漫画を描こうとしてて、でもわりと早い時期に自分より才能がある人間がいることに気づいてやめたんだけど(笑)、そういう意味で漫画家とか絵が上手い人間にコンプレックスも持ってますねぇ。『まんが道』で、藤子不二雄が上京したと思ったらすぐに手塚治虫の手伝いに呼ばれたり、編集者たちが順番に原稿を待っていたりというのを読んでいて、演じる上で全くわからない世界という感じでもなかったですね」。

自らも脚本家で、監督を務めることもある宮藤さんだが「僕らの仕事で言うと、脚本を書くというのは漫画で言うネームであり、実際の撮影はペン入れに近いのかな…?」とも。

そして宮藤さん自身、「モテキ」などを通じて、大根監督のことは気になる存在として見ていたという。“役者”の顔を持つことについて「いろんな方の撮影現場を見られるというのは僕の特権」と語る宮藤さん。偶然だが、宮藤さん自身、先に紹介した「ストップ!ひばりくん」を思い出の一冊に挙げている。大根組の現場は宮藤さんの目にどのように映ったのか?

「どうやったらこういう映像を撮れるのか? というのは気になっていたし、現場を見てみたいという気持ちはありました。実際に参加してみて、“リアリティ”の人なんだと感じましたね。一般的には“エッジの効いた”監督とか、ブッ飛んだ感覚の持ち主と見られがちですけど、実際現場における動きやその根拠になっているのはリアリティなんだなと。作品を見てそうではないかと思ってはいたんですが、実際に拝見して改めてそう感じ、興味深かったです」。

【連載企画 漫画の思い出#04】

――漫画は子供の頃から?

宮藤さん:人並みに「ジャンプ」、「サンデー」、「チャンピオン」、あとは「コロコロコミック」と読んでましたね。初めは「ドラえもん」(藤子不二雄)ですかね、コロコロの連載で。それからジャンプで「すすめ!!パイレーツ」(江口寿史)が始まって、その頃のギャグマンガが好きで、同じ時期のチャンピオンの「マカロニほうれん荘」(鴨川つばめ)とか一通り読んでましたね。

――これまでで最も影響を受けた作品は?

宮藤さん:「ゴリラーマン」(ハロルド作石)ですね。あ、集英社じゃないな…(笑)。ジャンプ漫画では「ストップ!! ひばりくん!」(江口寿史)が好きでしたね。「パイレーツ」の連載が終了して、「あぁ、終わっちゃった…」と思ったら…ちょうど小学校の高学年の時期に始まったのかな。あのカワイイ女の子――まあ、ひばりくんは女の子じゃないんだけど(笑)、ああいう絵のギャグ漫画って初めてで、ドキドキしながら読んでました。

《photo / text:Naoki Kurozu》

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