「DCコミックス」ジェフ・ジョンズが語る、『スーサイド・スクワッド』の予測不可能な魅力
シネマカフェでは、DCコミックス本社へ赴き現地取材を敢行。第1弾レポートでは、ジェフ・ジョンズのインタビューをお送りする。
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「彼はキャラクターたちのことがとても気に入っているんだ。彼がコミックを読んだときに反応したのは、キャラクターたちがとてもグレイな存在で、オルタナティブで、典型的なスーパーヒーローとは違うことだったんだ」。デヴィッド・エアーがこれまで描いてきた登場人物は、観客に対して不快感を抱かせるような行動をとりながらも、物語が進むにつれて、彼らの人間的側面や、優しさとも呼べる表情が示され、様々な現実を生きる登場人物たちのアンビバレンスな魅力をたたえているものが多かった。ジェフが指摘するデッドショットが見せる家族への愛など、『スーサイド・スクワッド』のヴィランたちが見せる人間的な一面やその描写の奥深さは、映画作家としてのデヴィッド・エアーに本作のメガホンを取らせる大きな要因だったのかもしれない。
1999年にDCコミックスにてライターとして招かれたジェフは、これまでにも様々なコミックスの執筆に関わり、グリーンランタンやフラッシュ、アクアマン、スーパーマンなど、様々なキャラクターたちに新たな命を吹き込んできている。「DCエクステンデッド・ユニバース」において彼は、それぞれの作品における企画開発をはじめ、クリエイターたちが参考にするクラシックのコミックブックのセレクトや、キャラクター構築に関わるなど、コミックスの世界観を映画に変換する上で重要な役割を担っている。「もっとも大切なことは、キャラクターを正しいものにするということだ。なぜそのキャラクターがこれほど長く続いてきて、なぜそのキャラクターに人気があるのか。僕らは、クリエイターがアイコニックなキャラクターたちの伝説を見つける手助けをするんだよ」。
『スーサイド・スクワッド』におけるデヴィッド・エアーの起用など、映画ファンとしては今後の公開タイトルの発表と同じく、どの監督がクレジットされるのかにも注目したいところだ。ジェフは、監督決定に至るまでの“有機的”なプロセスについて説明する。「『フラッシュ』のリック・ファイムーア(『ブラウン・シュガー』『DOPE/ドープ!!』など)は、多くの監督たちと会う中で出会ったんだよ。映画に対する彼のビジョンについて聞いて、とても説得力があったんだ。『アクアマン』のジェームズ・ワン(『ソウ』『死霊館』シリーズ)は、アクアマンの熱狂的なファンで、どれほどアクアマンのことが大好きかということをスタジオのトップと話していたんだ。そして、『バットマン』のベン(・アフレック)については、もちろん、彼はバットマンを演じているからね(笑)。僕らは、僕らと同じくらいキャラクターが大好きで、本当にそのキャラクターを描きたいと思っている人を見つけるんだよ」。
「ジェームズ・ワンと僕は、いま『アクアマン』のストーリーに取りかかっていて、それを分析している段階だ。それと、ベン(・アフレック)と『バットマン』の映画の仕事をしている。ベンとは脚本を一緒に書いたんだ」。今後も続々と公開を控える「DCエクステンデッド・ユニバース」において、ますます忙しくなるであろう彼に、少しでも公開予定作についての情報をもらうべく尋ねてみると、幸いなことに、わずかではあるが『グリーン・ランタン』についてヒントを与えてくれた。「いま、企画開発をしているところだよ」と断りを入れながら、2020年に予定されているリブート作では、宇宙の平和維持軍である「グリーン・ランターン・コァ」が描かれる物語であるとコメント。「つまり、グリーンランタンが一人以上登場するということだよ。それ以上のことは言えないんだ」。
「僕は、スーパーヒーローたちが希望に満ち溢れていて、楽観的なところが大好きなんだ。彼らが表わしているポジティブな理想や、それらを称賛する希望にあふれたストーリーは、DCユニバースの重要な要素だと思うよ」。DCコミックス、マーベルを台風の目として、少なくとも2020年まではスーパーヒーローの活躍を描いた映画がますます勢いを増していくことだろう。アメリカン・コミックスの伝統を引き継ぎ、革新を生み出し続けてきたジェフは、DCコミックスの魅力としての“神話性”について語る。「僕がいつもDCのスーパーヒーローが大好きだったのは、彼らがとてもアイコニックで、神話的で、僕らが努力して目指すべき理想を表しているからだ。僕らは彼らのことを尊敬し、彼らみたいになりたいと願う。彼らは、意思があり、人々に感動を与える、象徴的な存在なんだよ」。アメコミ映画黄金期のいま、DCコミックスが描き出す希望の物語が、私たちに多くの感動をもたらしてくれることを期待したい。
協力:ワーナー・ブラザース
《シネマカフェ編集部》
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