松田翔太、海外ロケで“不在”オダギリジョーのコメント代読 「あ~味噌汁の味」
オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら、いま注目の実力派俳優たちが集結した、『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)、『そこのみにて光輝く』(呉美保監督)に続く故・佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。先日9月17日(土)に初日を迎え、舞台挨拶が
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この日の初日舞台挨拶には、蒼井さんと松田さん、北村有起哉、満島真之介、松澤匠、山下敦弘監督が登場。まずは、満島さんが「オダギリさんが今日来られないので、みんなでパネルをだそうぜって翔太さんが提案して」と等身大パネルを持って現れ、ほかのキャストも笑いながら登壇した。
オダギリさんとのラブシーンや鳥の求愛ダンスなど、印象的なシーンを数々演じた蒼井さんは、無事に初日を迎えたことに、「(この映画が)この世界に誕生する日を楽しみにしすぎていました」と喜びのコメント。また、松田さんは「この作品に参加できて本当に心がいっぱいです。撮影中、実は、代島という役を演じるのに何かモヤモヤしていました。でも映画を観たら、すごくポジティブになっていて、本当に好きな映画になりました。嬉しい限りです」と語り、満島さんも「初日嬉しいです! 僕はデビュー作がテアトル新宿で公開され、舞台挨拶もここでした。その作品以来の初日舞台挨拶で嬉しいです!」と感慨深げ。
蒼井さん、松田さんはそろって31歳の誕生日を迎えたばかり。30代のスタートとして節目となる作品になったのでは、と聞かれた蒼井さんは、「“何が好きで何があまり好きではないかを教えてくれた作品”になりました。私はこの映画と同じくらいの規模の映画からキャリアがスタートしましたが、改めて、小さな幸せのお話が好きなんだなと思いました。オダギリジョーさんの主演としての立ち位置を拝見していたら、もし次に主演をやらせていただく機会があれば、こんな距離感でやりたい、と思いました」と真摯にコメント。
松田さんは、「監督も、オダギリさんや蒼井さんも、いつかお仕事したいと思っていた人たちでした。たまたま、代島という役柄を演じることが、腑に落ちない時があったけど、楽しい撮影の中で、“この立ち位置で正解なんだな”と思ったことがありました。代島は、接着剤みたいな存在で、代島がいないとまとまらない。そう思えてから熱が入ってきました。こんな気持ちになれて、俳優として成長できてるのかなと思わせてくれた映画でした」と、言葉を強めてふり返った。
そして、満島さんがマイクを差し出す中、松田さんが「すべりそうになっても僕のせいじゃないですよ(笑)」と前置きしながら、オダギリさんからのメッセージを代読。
「公開初日に主演がいないというのは聞いたことがない、まさに前代未聞の状況で、謝ることしか出来ませんが…この事態をもしも良く捉えようとするならば…ある意味マンネリ化していた初日舞台挨拶の在り方に新たな光を射したのかもしれませんね……」とオダギリさんらしい観点で(?)お詫びのコメント。
さらに、函館ロケの思い出として、「朝市に行ったときのこと。カニの味噌汁を頼んだらサービスで付いて来たのがシンプルな味噌汁で、なぜか味噌汁がふたつになったことも、いまとなっては大感謝です。いままさにキューバで体重を10kg落としゲリラ戦を撮影している最中なので、余計にふたつの味噌汁なんて大大感謝です。あ~味噌汁の味」との言葉に爆笑が起こっていた。
オール函館での撮影には、満島さんも「みんなでお酒を飲んで語り合いましたし、そのおかげで先輩方とも仲良くなれました。蒼井さんなんて一緒のシーンは全くなかったのに、密度濃く一緒にいました」と明かし、「先ほどお味噌汁のお話もありましたが、僕も海鮮丼を思い出したり、撮影以外のことを思い出します。参加できて良かった。おごっていただいてありがとうございます」と思い出を語った。
最後に、山下監督は「このスタッフ・キャストでこのタイミングで作ることができて、良かったです。大事な作品になりました、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』の両監督にも感謝ですし、佐藤泰志さんの原作にも感謝です。いまそれを実感していました。僕にとって特別な映画だし、力のある作品になったと思います」と手応えを覗かせる。
本作は、先日発表された第21回釜山国際映画祭をはじめ、台湾Shine Film Festival、香港アジア映画祭、サンディエゴアジア映画祭、ハワイ国際映画祭、第2回上海日本映画展など、続々と映画祭への参加が決まっている。
『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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