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「おうちデート」で観たい! ファッションや音楽も楽しめるオススメ恋愛映画

「おうちで楽しめる」オススメ恋愛映画をご紹介。恋人と「おうちデート」で観るもよし、お一人様でもこれから恋愛がしたくなるような作品をピックアップ。

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『アニーホール』 (C) APOLLO
『アニーホール』 (C) APOLLO 全 5 枚
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劇場で最新作を楽しむのも良いけど、外に出るのはどこも混んでて嫌だな…という人に、今回は「おうちで楽しめる」オススメ恋愛映画をご紹介。恋人と「おうちデート」で観るもよし、お一人様でもこれから恋愛がしたくなるような作品をピックアップ。お酒を片手に、様々な恋愛事情をゆったりと楽しんでみてはいかが?


■『アニー・ホール』(1977、アメリカ)

『アニーホール』 (C) APOLLO

N.Y.でコメディアンとして活躍する主人公・アルビーの、映画のタイトルでもあるヒロイン“アニー・ホール”との出会いから別れ、それまでとそれからを描いた、ウディ・アレン監督&主演のヒューマンドラマ。自分の物差しでしか物事を量れず、“私を会員にするようなクラブには入りたくない”という考えが、恋愛において「来るものを拒み、去るものを追う」スタンスになってしまう、なんともパセティックな主人公(或いはアレン自身?)。2度目の離婚後に出会ったのは、主人公とはまるで正反対の性格を持つダイアン・キートン演じるアニー。楽観的で、快活で、やや危なっかしい彼女は、考えを行動に移すのが凄まじく早い。“自分のスペース”が欲しいアルビーは時に困惑を隠しきれず、さらに人間的に成長し、だんだん自分の手から離れていくアニーがなぜだか気に食わない。アニーもそんな関係に窮屈感を覚えずにはいられなくなり、やがて2人の関係には溝が…。

複雑で、時には痛みを伴うけれども、なぜ人を愛さずにはいられないのか? そんなテーマが描かれた本作。脱構築されたストーリー(アレンが直接‘こちら側’に語りかけたり、バラバラになった時間軸を使って都合の良いように説明したり、関係の無い街の人に突然話しかけ、インタビューを取るなど)が、主人公のシニカルな人生観や性格などが、幸せな記憶や細かく散りばめられたジョークと程よく混ざり合い、ふくらむことで、本来ニューヨークチーズケーキのように胸焼けしそうなへヴィーなテーマも、サンドウィッチをつまむような感覚で観ることができる。

『アニーホール』 (C) APOLLO

また、ファッションや音楽も楽しめる本作。60年代N.Y.のトラディショナルなアイビールックからテニスファッション、さらには西海岸のヒッピーファッションまで登場するD・キートンの着こなしは要チェック! 中でもべストやタイ、ツイードのブレザーなどメンズの服をさらりと着こなしたアニーのファッションは、当時「アニー・ホール・ルック」と呼ばれるほどアイコニック的な人気を誇り、独立したジェンダーを感じさせるアニーのリベラルさが体現された“シティガール”なスタイルは、いまでもマネしたい着こなし。そして、ビリー・ホリディの名曲をD・キートンがカバーするシーンなど、長年映画でN.Y.とジャズを根付かせ続けたアレン監督作品ならではの音楽づかいにもぜひ注目してみて。

『ONCE ダブリンの街角で』(2006、アイルランド)

『ONCE ダブリンの街角で』 (C) APOLLO

掃除機修理屋(ストリート・ミュージシャン)の男と、街で花を売り歩くチェコ移民の若い女がアイルランド・ダブリンの街角で出会い、楽器屋での彼女のピアノに心動かされた男は、一緒にセッションしてみないかと持ちかける。やがて一緒に演奏することで喜びを実感し、音楽を通して心を通わせていくも、徐々にそれぞれの抱える問題が明らかになり…。

本作で監督を務めたジョン・カーニーと言えば、最新作『シング・ストリート 未来へのうた』『はじまりのうた』等、非常に優れた音楽映画を世に送り出している監督の1人だが、音楽映画といっても、単にサントラが良いとか、「音楽ファン」のみに向けた専門的で囲われたそれではない。登場人物のストーリーやドラマとともに、日常に寄り添った音楽が映画に、そして私たちにまであたたかい希望を与え、普段音楽をあまり聴かない人に対しても、「音楽の持つ素晴らしさ」をシンプルに、かつダイレクトに届けてくれる非常に豊かな音楽性を持っている。中でも本作は、上の2作に比べると、かなりシンプルでオーガニックな作品であり、その分自然な形で挿入される歌はメッセージ性が濃く、父親のバイクを借りて出かけるドライブデートのシーンや、ダブリンの街角を散歩するなどの、2人のささやかな「幸せ」もあたたかく響いてくる。

『ONCE ダブリンの街角で』 (C) APOLLO

カーニー監督の作品の背景には、自身の生い立ちや、アラン・パーカー監督作『ザ・コミットメンツ』に深く影響を受けていることもあり、ダブリンを舞台した労働階級の人々や、移民などの社会的マイノリティの人々を描いたものが多い。しかし、恵まれた社会環境では決してないものの、あえてその背景を美化したり、またはよりデフォルメして描いているわけではなく、それぞれの置かれた状況や抱える問題を“ありのまま”に受け止めた上で、そこで奏でられる音楽がそれぞれの人物を「癒し」ていく。よって、作品内の楽曲たちには悲しみも喜びもそこに含まれており、そしてそれらはあまりにも清々しく、素晴らしいものとなっている。

本作で登場する2人はカップルではない。現実的に言うと、2人はカップルにはなれないのだ。なぜなら、女は祖国・チェコに夫がおり、現在はダブリンのアパートで1人の幼い娘と自身の母親を暮らしているから。男は、愛していた女に裏切られ、別の男と暮らすその女がいまも忘れられずにいる。ここで描かれるのは、音楽によって紡がれていく“一度限りの恋”。

絶妙な距離感のある2人の恋、そしてそれぞれが選んだ「結末」を見逃さないで。


《シネマカフェ編集部》

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