だが、ディーンさんが言う若い層には到底醸し出せない「色気」というものが、本作には重要な要素として入っている。例えば、古海がマスカットを1粒取り、口に含むという場面。何でもないちょっとした日常の動作のはずが、たおやかでエロティックにさえ見える。ディーンさんが演じたならではの色気が、映しとめられているようだ。「ミステリアスって、全てがわからずアンノウンな部分があるから、興味を惹いたり、想像力を掻き立てるわけですよね。フローレスな美しさもあれば、傷があるから美しいものもあると思っています。え、僕自身の色気ですか? 自分ではわからないです、ごめんなさい(笑)」。

そんなディーンさんが、女性に惹かれる瞬間、魅力的だと感じるポイントは「優しい人だということ」と答える。「共感できる力というか。(相手の思いを)感じ取って、自分のこととして考えて、アクションを起こして反映していく。どんな国でも、どんな人種でも、どんな性別でも関係なく、そんな方は魅力的だなと思います」。しかし、表面的に優しくするようなことだけが優しさであるとも限らない、と静かだがキッパリとした口調で伝える。「ときに、相手を思って、強く言わなきゃいけない優しさもありますよね。決して柔らかい物腰でいることだけが優しさだと思わないです」。明日から、今日より優しい自分になれますように…なんて、願わずにはおれない。
