「いまはだいぶ、客観視できるようになりましたね。一時は、いつまで“子役”ってくくりで言われ続けるんだ? という苛立ちもありました。高校生になっても、言われるのは過去の作品のことばかりで『なんでこの人たちはいまの僕を見てくれないんだ?』と思っていました。でも、やはり僕の中にいま根付いてるものは、子役の頃に培われたものがすごく大きい。いまは感謝しているし、やれててよかったと思えます。そういう風に思えるってことは、自分の中でひとつ区切りがついたということなのかな」。

周囲の思いとは別に、自分自身でもう“子役”ではないという思いを抱いたり、「この世界でずっと俳優として生きていく」と決意したのは?
「子どもの頃は、習い事に近い感覚で、現場に遊びに行く感覚だったんですよ。大人たちが真剣に作品を作ってるのを見るのが楽しかったんです。ただ、日本アカデミー賞の新人俳優賞(2006年/『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』)をいただいたときに、自分に見えている世界以上の多くの人が僕のことを知っていて、作品を観ているんだってわかり始めて…。その経験が大きかったですね。そこで自分がしていることの大きさ、責任感を再確認して、そこからは、この世界でこの仕事をして生きていきたいって思うようになりましたね」。
そして、これまでのイメージを覆すような近年の激しい役柄に関しては、こんな思いも…。
「やはりイメージが先行するのは、役者にとってはあまりいいこととは言えないし、それを払拭するにはいろんな作品をやり続けていくしかない。そもそも、人をびっくりさせたいっていう感覚が強いんです。だから『ハイキュー!!』の舞台を観た人が、映画館に来て僕を観て、度肝を抜かれるっていうのが理想だし、映画で僕を知って、舞台を観に行ったら『こんなまぶしい青春やってんのか!』と驚いてほしい!」。
