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【MOVIEブログ】2019ベルリン映画祭 Day6

2月12日、火曜日。本日は(ようやく)晴天なり! 6時半起床、ルーティンをこなして上映へ。

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"I Was at Home, But" (c) Nachmittagfilm 全 1 枚
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2月12日、火曜日。本日は(ようやく)晴天なり! 6時半起床、ルーティンをこなして上映へ。

9時のコンペ作品上映からスタートで、アンゲラ・シャーネレク監督新作“I Was at Home, But”(写真)。予想通りというか、予想以上に歯ごたえのある作品だった!

物語は要約がほぼ不可能で、あえて言うならば、いくつかの心配事を抱える母親を中心としたミニ群像劇、かな。いや、ちょっと違うか…。とりあえず愛についての物語であることは間違いないはず。

リニアなストーリー展開でなく、一連のエピソードをいったん解体した上で、バラバラに再構築したモザイク状の構造。見終わると、全体像がおぼろげに浮かび上がってくるようでスリリングなのだけど、それでも理解が及ばないショットがいくつもある。

理解が及ばないのだけれど、惹き付けられる魅力は確実に存在し、退屈することが全くないどころか秘められたメタファーを考えたりして何とも刺激的だ。もう一度頭から見てみたい。シャーネレク監督、やはり只者ではない。

12時から引き続きコンペ部門の試写で、イタリアの“Piranhas”という作品。ナポリを舞台に、10代半ばのストリート・ギャングたちが地域を仕切る組織としてのし上がろうとする物語。まっとうな作りでストーリーも淀みなく進んでいくのだけれど、類似品は多く、あまり新鮮味は感じられない。いささか残念。

上映終わって13時50分。ランチする時間がありそうだったので、モールに移動し、大好きな「ソーセージ+ザワークラウド+ポテト」のプレートを頂いて幸せ(同じことを毎年書いている気がする…)。

14時半に上映に戻り、「パノラマ」部門のドイツ映画で“Searching Eva”というドキュメンタリー。セックス・ワーカー、詩人、アーティスト、など様々な顔を持つ監督が、自らのアイデンティティを赤裸々に問いかける先鋭的な内容。家族やセクシャリティーやSNSなど、ありとあらゆる現代的テーマが詰まっている。「パノラマ」部門の面目躍如的な作品だ。

続いては、16時半にカクテル・パーティーに出席。「ジャーマン・フィルム」というドイツの映画機関のヘッドであるマリエッテさんが退任するので、そのお別れパーティー。数年に渡りとてもお世話になり、繰り返しお礼を伝える。

そしてそのマリエッテさんは、来年からベルリン映画祭のヘッドになる! ベルリンは来年から新体制になることが発表されていて、マリエッテさんは元ロカルノ映画祭のカルロさんと2人でベルリンを率いることになる。来年からどのようにベルリンが変わっていくのか、いまからとても楽しみ。

17時45分に上映に戻り、「パノラマ」部門で“A Dog Barking at the Moon”という中国の作品へ。夫が同性愛者であると知った妻が混乱のうちに新興宗教にはまり、徐々に異常を来していく様を娘の視点から描く物語。月並みな個所と悪くない箇所が混在し、しばし評価は保留しようかな。

中国映画といえば、コンペ部門への参加が発表されていたチャン・イーモウ監督の新作が、なんとキャンセルになってしまった! 完成が間に合わなかったというのが公式の説明だったけれど、果たして…。

理由はともあれ、公式に発表したコンペ作品が映画祭本番中にキャンセルになるなんて、映画祭運営に携わっている身としては最大の悪夢だ。しかもチャン・イーモウほどの巨匠作品が…。ああ、恐ろし過ぎる。

19時30分に上映会場を離れ、アジアの映画関係者を中心としたディナーへ。レストランに到着すると、フィルメックスの市山さんもいらっしゃる。旧知の仲であるタイや香港の面々と情報交換しつつ、最後はじっくり市山さんとおしゃべりし、充実した時間を過ごすことができてとても嬉しい。

23時半にはホテルに戻り、ほろ酔いでブログを書き(ごめんなさい)、まだ1時前。今日は早めに寝ます!

《矢田部吉彦》

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