>>『ベン・イズ・バック』あらすじ&キャストはこちらから
今回到着したのは、クリスマス・イヴの朝、ドラッグ依存症の療養施設から突如帰宅したベンが、数か月振りに再会した家族の前でオリジナルソングを披露するワンシーン。おもむろにウクレレを弾き始めたベンのもとに、妹のアイヴィー(キャスリン・ニュートン)とレイシー、そして弟のリーアムが集まると、「ベンが10歳だった時、レイシーは赤ん坊~♪」と即興で作ったとは思えないほど見事に韻の踏まれた曲を歌い始め、「みんなそろって、大騒ぎしよう~!」と大声で歌って盛り上がる。

そんな一同のもとへ、ベンが突然帰ってきたという知らせを聞いた継父のニール(コートニー・B・ヴァンス)が急ぎ足で帰宅。母ホリー(ジュリア・ロバーツ)もリビングに降りてくるが、ニールの険しい顔つきや彼を見て演奏をやめたベンの気まずい表情に、一家が抱える複雑な事情が垣間見えるシーンとなっている。
優しくも激しい表現力豊かな歌声を披露しているベンを演じるのは、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、先月公開された『ある少年の告白』でも熱演を見せる若手実力派ルーカス・ヘッジズ。

ルーカスが実父であるピーター・ヘッジズ監督作品に初めて出演することになった決め手は、母ホリー役のジュリアからの熱烈な直接指名だったという。「ジュリア・ロバーツが僕にベンを演じて欲しがっていると知った時は、もうクレイジーだったよ」とルーカス。ジュリアから届いた手紙には自身の赤毛の長男と一緒に撮った写真が添えられ、「ハンサムな赤毛の男性は、私といるとくつろげるみたいだということをルーカスに知って欲しくて」と書かれていたという。

「ジュリアは、もしこの映画に出れば父との関係性ばかり考えてしまうんじゃないかという不安をかき消してくれた。この映画のもっと大きな要素は、僕が演じるキャラクターと彼の母親との関係だった」と、感慨深げにふり返るルーカス。
この映像でも、ベンと家族との摩擦を憂い奔走するホリーの表情が窺えるように、母親の愛情と息子の葛藤が絡み合い、一筋縄では解決できない依存症の問題が浮き彫りになる本作。ベンは家族と一緒に幸せなクリスマス・イヴを過ごすことができるのか、ハラハラする展開を劇場で確かめてみて。

『ベン・イズ・バック』は5月24日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。