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【MOVIEブログ】「遊び」と「勉強」の中間

先週から東京国際映画祭のユース(Youth)部門の「TIFFティーンズ映画教室」が始まりました。中学生を対象とした映画教室で、今年は講師を『ひかりの歌』(傑作です!)の杉田協士監督が務めています。

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「TIFFティーンズ映画教室」
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先週から東京国際映画祭のユース(Youth)部門の「TIFFティーンズ映画教室」が始まりました。

これは中学生を対象とした映画教室で、今年は講師を『ひかりの歌』(傑作です!)の杉田協士監督が務めています。初日の様子を見学させてもらったのですが、これが最高に面白かった!です。

何が面白いって中学生が面白い。集まった生徒は抽選で選ばれた24名の中学生。みんな初対面。過去に同じような映画教室に参加した子もいれば、親から行けと言われて来た子や、自分でネットで探して応募してきた子など本当に様々な中学生で学年もバラバラ。

「TIFFティーンズ映画教室」
そんな中学生たちがいきなり1カットのシーンを撮るように言われます。杉田監督の直感で4チームに分けられた中学生が自分のチームの隣の子に似合うシーンとセリフをワンカットでそれぞれ自由に撮ってもらうというもので、これが24人24色で実に素晴らしかったです。

いまどきの中学生は本当に生まれた頃から携帯やビデオに親しんでいて、カット割りとかもごく普通に出来てしまうんですね。カメラもその場で渡されて撮り方だけ教えられてそれが出来てしまうんで、自分の世代とは隔世の感を抱きました。

「TIFFティーンズ映画教室」
中でも衝撃だったのは、読書している女の子のアップを映して、その子の視線が右に流れるとカメラがパンしてその先に同じく読書している男の子がいて、今度はその男の子のアップになり、今度は男の子が視線を左に流すとカメラはまた逆方向に戻るようにパンして、2人が画面の両端に入るところでカット、という1カット。

なんだかいまにも物語が始まりそうな感じでしびれましたね。しかも、2人の間では後ろで小さい子たちが風のように追いかけっこをしているという、何とも微笑ましくもある素晴らしい1カットでした。

「TIFFティーンズ映画教室」
とにかく中学生というのが面白かったです。小学生相手だとこういう映画教室はほぼ「遊び」になってしまうでしょうし、高校生だとほぼ「お勉強」になってしまうのでしょうけど、中学生だとこれがちょうどその中間くらいで、遊びながら学んでる感じがとてもよかったです。頭で考えることと心で感じることが絶妙なバランスで、かつ、体がまず動く感じが実に独特。彼らの未来は実に様々な可能性に満ちているんだということを実感しました。

今週いっぱい撮影や編集などをして25日にみんなで上映会を迎えます。彼らがどんな作品を仕上げるのか本当に楽しみ。そして、東京国際映画祭でもこれらの作品を上映して、彼らの舞台挨拶も行う予定なんで、このイベントは何を置いても見に行こうと思ってます。自分の息子も大きくなったらこういう教室にこそ参加させたいです。

「TIFFティーンズ映画教室」
映画は人生の教材にもなるんだなと、改めて思いました。
映画って素晴らしいですね。笑


【2019.8.20】

《text:Yusuke Kikuchi》

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