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『フェアウェル』家族の“嘘”が映画になるまで…ルル・ワン監督が明かす

オークワフィナが中国系アメリカ人のルル・ワン監督のもとで主演し、ゴールデン・グローブ賞に輝いた『フェアウェル』。ルル・ワン監督によれば、本作には奇跡のような誕生秘話があったという。

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『フェアウェル』 (C) 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
『フェアウェル』 (C) 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 全 4 枚
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オークワフィナが中国系アメリカ人のルル・ワン監督のもとで主演し、ゴールデン・グローブ賞に輝いた『フェアウェル』。ルル・ワン監督によれば、本作には奇跡のような誕生秘話があったという。

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「私にとって“愛情表現”についての物語」


『フェアウェル』 (C)2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
アカデミー賞前日に発表された第35回インディペンデント・スピリット賞で作品賞を受賞した本作は、監督のルル・ワンの身に起こった実際の“嘘”をもとに作られた。ワン監督は、「家族の嘘や秘密を描いた映画が扱うテーマのひとつは、真実を語ることから派生する大きな浄化作用だと思います。私は本作で、そういう概念と闘ってみたいと思いました。私にとってこれは、“愛情表現”についての物語です」と語る。

当時、アメリカに住むワン監督は中国にいる祖母の病気を知り、現地に向かうことに。アメリカに戻るとすぐに自分の家族の嘘の物語を書き、それがナショナル・パブリック・ラジオの人気シリーズ「This American Life」というコーナーの1エピソード「What You Don’t Know」として放送された。

さらにワン監督は、この“嘘”のもっとミステリアスな側面に深く切り込むことに魅力を感じ、脚本を書き続けた。ただ、ワン監督は中国語を流暢に話すことはできるが書くことは容易ではなく、脚本に書いたセリフの60%を中国語に変換するため自身の両親に助けを求めた、という。

「両親は大きな助けになりました。両親は中国語を知っているし、関わっている実在の人たち全員を知っている。その上、実生活の中で家族がどんな会話をしたのかもわかっていましたからね」とワン監督は言う。

「この話は映画になる」直感に突き動かされ映画化へ


『フェアウェル』 (C) 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
こうしてワン監督の脚本が肉付けされたころ、奇跡的に「This American Life」のエピソードを聞いていた、ビッグ・ビーチ社のプロデューサー陣とデプス・オブ・フィールド社から声がかかる。ワン監督同様、両社とも「この話は映画になる」という直感に突き動かされた。こうしてすぐに製作チームが立ち上がり、映画化へと繋がっていった。

ワン監督から「A24」のチームに対して送られた手紙にも、「映画を作る過程において、広く“商業的”な作品になることに対しては断固としてNOを突きつけ、逆に、いつか自分なりのストーリーの伝え方を表現できる日が必ず来る、と信念を曲げずに突き進みました。配給に至っては、大金を提示してきた大手の映像配信サービスのオファーを断り、有意義な方法である劇場公開で観客に映画を届けることができるのはA24がベストだと信じ、この会社に託したのです」と綴られていたという。

そんなワン監督のゆるぎない決意と、何より脚本の力と奇跡が重なり、実際の家族がついたひとつの“嘘”から生まれた物語は、世界各国の人々に届くことになったのだ。

『フェアウェル』は4月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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