本作は、イ・ミンホと「相続者たち」(2013)でタッグを組み、近年ではコン・ユ主演の大ヒットドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(2016)などでも知られるベテラン脚本家キム・ウンスクが手がけた最新作。「トッケビ」のキム・ゴウンが共演し、パラレルワールドからやってきた皇帝イ・ゴンと、正義のために奔走する刑事チョン・テウルがときに甘く、ときに切なく繰り広げる異次元のロマンス・ファンタジードラマ。
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※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
君主制が続いている“大韓帝国”と現在の“大韓民国”、2つの世界を行き来する壮大なスケール感が魅力の今作で、特に注目を集めたのが第12話。反逆者イ・リム(イ・ジョンジン)に拉致され、大韓帝国に無理矢理連れてこられたテウルが満身創痍で何とか逃げ出すと、そこに大量の兵士を引き連れ、白馬の王子様ならぬ“白馬に乗った皇帝”が颯爽と現れる。その後、自ら剣を手にして敵を次々と打ち倒し、テウルのもとに駆けつけるシーンは今作屈指のドラマチックな場面。
極めつけは、窮地を脱したゴンとテウルがとにかく甘~い、大人のキスシーンを披露するシーンの裏側!
綿密に、でも和気あいあいと打ち合わせをするイ・ミンホとキム・ゴウン。イ・ミンホ演じるゴンは時空の門を超え2つの世界を行き来すると、雷が鳴る度にやけどのような傷が浮き出る。その傷を「天罰かも」というキム・ゴウン演じるテウルに対し、「打ち首にするぞ」とちょっぴりプン。「じゃあ、試してみて」とテウルが首を突き出すと、その首筋にそっとキス…という悲鳴が聞こえてきそうなロマンティックなシーンとなっている。
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さらに、何者かに撃たれてしまった大韓帝国の近衛隊長チョ・ヨンを演じるウ・ドファンの“ボトル投げ”練習の姿も。劇中では犬猿の仲といえるテウルの同僚刑事カン・シンジェ(キム・ギョンナム)とのやりとりも見逃せない。
また、今作ではほとんどのキャラクターが一人二役で、2つの世界で顔かたちがそっくりな人物を演じているが、とりわけ熱い視線を送られているのが、このウ・ドファンだ。先日入隊が伝えられた期待のニューカマーは、大韓帝国ではゴンの幼なじみで“天下無敵の剣”ヨン、大韓民国では幼い双子の兄妹を育てる社会服務要員(軍に入隊しないが兵役の一種)でゴンから“折れない剣”と任命される陽気なウンソプを、口調や姿勢まで変えて見事に演じ分ける。
陛下にどこまでもついていく忠誠心にあふれたヨンに、しびれた方も多いのでは? 終盤に向かうにつれ、緻密に構成されたストーリーが次第にほぐれ、伏線が回収されていく今作において癒やしともいえる存在となっている。
「ザ・キング:永遠の君主」はNetflixにて配信中。