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遅ればせながら、大好きなウディ・アレンの新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を観た。

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《text:菊地裕介》

遅ればせながら、大好きなウディ・アレンの新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を観た。

7月3日公開なので、コロナのことがなければもう上映は終わっていた可能性もあり、新作が少ないこのような状況はむしろ幸運だったかも。そして、その幸運が見事に報われ、映画は最高に楽しめた。ウディ・アレン好き、そして、New York好きにはもうたまらないものがあった(ちなみに、僕の中ではウディ・アレンとNew Yorkはニアリー・イコールのほぼ同一意義語)。久々のホーム、New Yorkを舞台にしたコメディで、主人公(ティモシー・シャラメ)の世間を斜めから見た少し神経症的な感じはいつものウディ・アレン調で、それにヴィットリオ・ストラーロの紡ぎだす美しい雨と陽光の映像や、本編を彩る流麗なピアノジャズなども加わり、そうそうこれこれ! という感じで、まさに待った甲斐があった。

本作は本当に待たされた。「#me too」ブームから派生して、ウディ・アレンの過去のセクハラ疑惑が再燃して、各国での公開がお蔵入りになっていたからだ。アメリカでは未だに公開の目途はたっていない。しかし、いつも思うことだが、作品に罪はないのでは。色々な意見があるし、あって然るべきだとは思うけど、僕個人に関して言えば、アーティストがどんな人格の人であれ、作品は作品単体で評価されるべきだと思っている。東宝宣伝部の時にも色々な監督・役者と仕事をさせてもらったけど、中にはどうしようもないような人もいたけど、作品が素晴らしければ僕はそれで充分だと思っていた。むしろ、人としては素晴らしいけど、作品や演技が全然ダメという人の方が僕としては残念だった。

話は逸れてしまったけど、とにかく待ちに待った新作は最高で、まさかのエンディングにも感動はひとしお。大好きな監督の新作を極東の片隅の国の川のそばの映画館で観られる、この幸せたるや何と言おう。

なお、ウディ・アレンの次なる作品はスペインのサン・セバスティアン国際映画祭を舞台にした『Rifkin's Festival』で、そのまま今年のサン・セバスティアン国際映画祭のオープニング作品になっている。何という離れ業。こんな幸せな映画の形もそうはないだろう。羨まし過ぎる! この次は是非東京を舞台にした映画を!!

《text:Yusuke Kikuchi》

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