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行定勲、香港の亡き大スター レスリー・チャンからの影響明かす『窮鼠はチーズの夢を見る』

大倉忠義、成田凌出演『窮鼠はチーズの夢を見る』から、映画ファンから「切なすぎる」「今ヶ瀬の心情に合っていて、絶妙」といった声が上がっている印象的な名シーンの誕生秘話が明かされた。

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『窮鼠はチーズの夢を見る』(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
『窮鼠はチーズの夢を見る』(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会 全 7 枚
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大倉忠義、成田凌出演で水城せとなの傑作コミックを行定勲監督が映画化した『窮鼠はチーズの夢を見る』。すでに本作を観た映画ファンから「切なすぎる」「今ヶ瀬の心情に合っていて、絶妙」といった声が上がっている印象的な名シーンの誕生秘話が明かされた。

>>『窮鼠はチーズの夢を見る』あらすじ&キャストはこちらから

成田さん演じる今ヶ瀬が大倉さん演じる恭一の帰りをひとり、部屋で待っているシーンで彼が観ているのがジャン・コクトー監督『オルフェ』(1950年)。

元カノとヨリを戻すかもしれない恭一に対して「俺と寝てください。これを拒まれたら、もう二度と、触らない」と今ヶ瀬が懇願するそばで、テレビのモニターには『オルフェ』の一篇が流れ、「これからする事を理解しようとしないで」という意味深な字幕が映されている。予告編でも使用されているシーンだ。

『窮鼠はチーズの夢を見る』(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
行定監督は本編の中で『オルフェ』を起用した理由として、「脚本には『今ヶ瀬が映画を見ている』と書いてあるだけで作品の指定はありませんでした。私が『オルフェ』がいいと思いました」と言う。

「『オルフェ』は死の世界と現世という境遇の違う者が惹かれ合うが、相手のことを想い、別離を選択する“犠牲愛”を描いた映画です。今ヶ瀬は恭一への想いが溢れ、抑えられなくなったとき、ひとり『オルフェ』を見ながら、恭一への愛を貫き、自分に引き寄せることで本当に彼のためになるのか。自分が犠牲になって別れた方がいいのかと苦悩している。その逡巡する気持ちに『オルフェ』の登場人物たちの逡巡する気持ちと重なりぴったりだと思いました」と明かす。

『窮鼠はチーズの夢を見る』メイキング(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
そして、もう一つの理由として、「香港出身の俳優、レスリー・チャンとお会いした時に、好きな映画が『オルフェ』だと聞いたことがありました」と語る行定監督。

「彼はその時、自分は常に“自己犠牲”を意識して生きていると語っていました。社会に対して自分を偽って生きていることも含めて、何かのために自分を犠牲にしていると感じていた。その彼の寂しさや憂いがとても印象に残っていたんです。その姿が今ヶ瀬と重なりました」と、香港が生んだ大スターにして、いまは亡きレスリー・チャンとの秘話を打ち明けている。

『窮鼠はチーズの夢を見る』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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