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代々東京の中心地に居を構える良家の子女である華子は、一般家庭では中々お目にかかれない豪華7段の雛人形を飾る姿や、刺繍を楽しむ優雅な姿、美しい着物に身を包む姿が切り取られている。

「結婚=幸せ」という価値観で育てられた箱入り娘である華子は、自分の感情を表に出すことに慣れておらず、微妙な表情や雰囲気だけでストーリーを引っ張っていく必要のある、映画的にはきわめて難しい役柄。

岨手由貴子監督は脚本の段階から「華子ができるのは門脇麦しかいない」とイメージを固めていたそうで、門脇さん自身も「岨手監督の前作を観てからずっとご一緒したかったので期待に応えたい」と強い意気込みを持って挑んだ役柄だ。
一方、地方出身者である美紀は、ジャージ姿でベッドに横たわるラフな印象を与えるものや、真新しいリクルートスーツに身を包んで大学の入学式に向かう姿、それらとは対照的に、真っ赤なスカーフとスーツで力強い印象を与える姿が切り取られている。

地方出身の秀才で都会に馴染んでいるのに、自己肯定感が低い。もはや東京への幻想は抱いていないが、地元に帰る気にもなれず、学生時代からの腐れ縁を引きずっている――。

そんな複雑な役柄に対して、脚本を読んだ水原さんは「美紀のキャラクターはほとんど私自身。年齢的にも今の自分にぴったりだと思う」と、自分自身と重ねるほど共感できたキャラクターであることを明かしている。

劇中では、このチャレンジングな配役が想像以上のケミストリーを生んでいる2人。東京という同じ空の下、違う環境の中でそれぞれの人生を切り拓こうとする2人の女性の世界観を感じ取ることができるはずだ。
『あのこは貴族』は2021年2月26日(金)より全国にて公開。
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