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現代社会に鋭く切り込みつつも、西川監督の生み出す、軽やかで人間味に溢れたユーモアが所々で顔を覗かせるのも見どころとなる本作。
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「今度こそカタギになる」と強く胸に誓った三上(役所広司)は、ドライバーの職を得るため、服役中に失効した運転免許証をゼロから取り直さなくてはならなかった。夜な夜な学科の勉強にも取り組み、ついに迎えた技能試験。緊張の面持ちで、刑務所仕込みの癖はそのままに真っすぐすぎる行進と、「受験番号8番、三上正夫!」と響き渡る点呼で気合十分。意気揚々と車に乗り込むも、シートベルトをし忘れ、エンジンを派手に吹かし、ギアもあやふや。しまいにはワイパー誤作動と凡ミスを連発…。緊張と焦りがもう止まらない!?
なんとも言えない空気が車中に漂う中、この不器用で真っすぐな男は、無事にこの試験をクリアすることができるのか。
本映像に登場する三上の身体に染み付いてしまった行進は、役所さんが『うなぎ』で故・今村昌平監督から受けた演出が生かされているそう。本作の撮影時には「今の受刑者はそんな歩き方はしない」ということだったが、「三上は“ベテラン”の受刑者だから」と役所さん。三上正夫という男を演じるにあたっても、役所さんはミシン掛けやケアホームのベッドシーツ替えなど、様々な技術を身に付けたという。
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壮絶な前科をもつはずの三上という男に役所さんが魂を吹き込むと、不器用で荒々しくもどこか愛らしく、その一挙手一投足から目が離せなくなるに違いない。
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『すばらしき世界』は2月11日(木・祝)より全国にて公開。