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『ブックセラーズ』日本のブックセラーが語るイベント実施「凄く面白いし勉強になる」

『ブックセラーズ』の公開を記念して、日本のブックセラーによるオンライントークイベントが催された。

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『ブックセラーズ』公開記念オンライントークイベント
『ブックセラーズ』公開記念オンライントークイベント 全 5 枚
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世界最大規模のニューヨークブックフェアの裏側から、ブックセラーの世界を紐解くドキュメンタリー映画『ブックセラーズ』。この度公開を記念して、日本のブックセラーによるオンライントークイベントが催された。

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今回トークイベントに参加したのは、挿絵本や絵本を中心とする和洋古典籍、美術・デザイン・写真集の希少書籍、絵画・版画・写真プリント等の美術品を扱う「かげろう文庫」店主で、映画にNYブックフェアに集うブックセラーのひとりとして写真で登場した佐藤龍と、国内外のアートやファッション、写真集、雑誌などエッジの効いた古書をそろえる「Flying Books」店主の山路和広。

ニューヨークブックフェア『ブックセラーズ』
ニューヨークブックフェアを訪れたことのある2人が、今回ここでしか聞くことのできないディープな内容を繰り広げた。ブックフェアについて、実際に訪れた印象を山路さんは「ニューヨークブックフェアは特別。数多く買い付けるというよりは、本当に良いものを数点探しに行くような、他とは全く別格で、ステータスがあるようなブックフェアだと思う」と言い、佐藤さんは「参加者は、ただ本を売りに来ているわけではなく、良い本を買いに来ている。中でも、ニューヨークブックフェアは世界中からトップディーラーが、選りすぐりの本をもってきているので、フェアが始まる数時間前、一般のお客さんが入る前のディーラー同士の売買が一番熱いやりとりが繰り広げられている」と裏話を明かした。

そして山路さんは「ブックセラーだけでなく、コレクターさんやオークションハウス、図書館など、様々な立場のブックラバーな方たちの視点も描かれていて、古本屋を数十年やっていても、新たに知ることとかいっぱいあったので、凄く面白いし勉強になる映画」と本作の感想を述べる場面も。

また、デジタル化などの時代の変化の中で、本や書店の未来についても語られている本作。これに加えて、パンデミックが広がる昨今、本や書店の未来について山路さんは、古書の流通量は増えたと感じているそうで、「その中で、消費材として役目を終えていく本と、文化財として希少価値をあげていく本との二極化が加速していくと思っている。文化財となる本は未来に残すものなので、デジタル化については心配していませんが、役目を終えていく本については、ディーラーは、何が残るべきで何は残さないか、という取捨選択の編集力を求められているように感じている」とコメント。

佐藤さんも「この1年、売り上げ自体はあがった。ロックダウン中、みんなが本を求めていたから」と同意し、「ただ、良い本をそこで売ってしまい、仕入れができていない状態であることが深刻な問題。というのも、映画でもNYのブックセラーレベッカが『おじさんは悲観的』と話しますが、まさしく自分は”オールドスクール”側。本を売るのも買うのも顔をあわせないと嫌。海外に行けないからとネットで仕入れることができない」語る。

しかし、“上の世代は悲観的、でも私は楽観的。アイデアがいっぱいだから”と言う劇中のレベッカについて「彼女の考え方は凄く面白い」とも話していた。

なお、トークはアーカイブの公開もされている。


『ブックセラーズ』は4月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、UPLINK吉祥寺ほか全国にて順次公開。

《シネマカフェ編集部》

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