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ナショナルジオグラフィックやディズニーネイチャーのドキュメンタリー作品を手掛け、タイムラプス映像のパイオニアと言われる映像作家ルイ・シュワルツバーグが監督をつとめる本作。本国アメリカではなんと20週にわたる超ロングラン上映が行われ、予想をはるかに超えるヒットを記録。アメリカの映画批評サイト、ロッテントマトでも100%フレッシュを獲得するなど高評価を受けている。
解禁された予告編は、「私の使命は菌類の言葉を見つけること」と話す、菌類学者ポール・スタメッツの声と同時に、木々に覆われた森の中で“きのこ狩り”中のスタメッツがカゴを持って登場する場面からはじまる。そして、青や黄色など鮮やかな色が可愛らしいきのこ、まるでエイリアンのような形状の赤い毒々しいきのこ、白いレースのドレスをまとったような美しいきのこ、光を放つきのこなど、一言できのことまとめるにはあまりにも多種多様な姿をしたきのこたちが、にょきにょき伸びたり、ゆらゆら揺れたりする神秘的な姿が、タイムラプス映像で映し出される。
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そこに入る「私たちの身近にあって、ミステリアスな存在」というナレーションの声の主は、アカデミー賞受賞歴のある俳優で無類のきのこ好きだというブリー・ラーソンだ。人気フードライターのユージニア・ボーンは、きのこについて「植物とも動物とも違う、中間的な存在」と解説。医療や治療、環境問題など菌類による知られざる解決策の断片が映し出され、きのこの偉大さの一部が分かる予告編となっている。
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土の中には地球を守るために菌類のネットワークが張り巡らされており、それはさながら足もとに広がるきのこの宇宙だ。菌類によるその知られざる広大なネットワークは、物質を腐らせ分解し、菌類同士や他の生物と栄養素を共有、つながりを形成し、それを生きた土壌に変えてきた。我々の目に留まるきのこは土の上にある部分にすぎず、その本体のほとんどは地下に広がる菌糸体という不思議な生物なのだ。きのこ・菌類は、食物としてだけでなく、様々な生命の再生や維持、アルツハイマーやがんなどの治療、環境汚染の浄化にまで役立つことから、地球上の様々な問題へのきのこの応用が期待されている。
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幻覚作用をもたらす一方で、人間の命を救うほどの力も持っていると言われるきのこ。その知られざる可能性を提示した本作は、偉大で神秘的なきのこの力を知るとともに、観れば誰もがきのこに対する意識を変えるに違いない、未来への希望を感じることもできる一作だ。
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『素晴らしき、きのこの世界』は9月24日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。