世界的有名ブランド「グッチ」創業者一族の殺人事件について描いたリドリー・スコット監督&レディー・ガガ主演作『ハウス・オブ・グッチ』に対し、グッチ・ファミリーこと故アルド・グッチ(同作ではアル・パチーノが演じている)の相続人たちが不快感を示した。
「The Hollywood Reporter」によると、グッチ・ファミリーはスコット監督やプロデューサーたちが彼らに相談することなく映画を作ったと批判。そのために劇中で彼らが「悪党、無知、配慮のない人物」として描かれており、物語が「事実からかけ離れすぎている」と主張。最も不快に思うこととして、マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)の殺害を主導した元妻のパトリツィア・レッジアーニ(ガガ)が、男性優越主義の企業文化の中で生き抜こうとした犠牲者のように描かれていることを挙げている。映画の舞台となっている1980年代には、グッチの一族であろうとなかろうと、「グッチには複数の重役の女性がいました」として反論している。
「グッチ・ファミリーのメンバーたちは、彼らの名前、イメージ、愛する人を守るための行動を起こす権利を留保している」として、法的措置を取ることも示唆している。
グッチ・ファミリーはイタリアの通信社「ANSA」に上記について語ったが、映画の主人公となった実在のパトリツィアもまた同社に本作について、ガガと会ってもいないのに自分を演じられることは「不快だ」と発言。「お金の問題ではない。私はこの映画から1セントだって受け取っていない。良識や敬意の問題でしょう」。