2021年カンヌ国際映画祭コンペティション部門で正式出品された、『燃ゆる女の肖像』監督セリーヌ・シアマ共同脚本のジャック・オディアール監督作『パリ13区』の全国公開が決定し、場面写真が解禁された。
パリ13区の現在。コールセンターで働く台湾系のエミリーと高校教師のカミーユ、33歳で大学に復学したノラ、そしてポルノ女優のアンバー・スウィート。多文化で活気あふれるパリの一角で、ミレニアル世代の若者たちが織りなす不器用で愛おしい人間模様を繊細に描いていく。
監督は、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞『ディーパンの闘い』、グランプリ受賞『預言者』など、数々の名作を手掛け、今年70歳を迎える鬼才ジャック・オディアール。本作では、『燃ゆる女の肖像』で一躍世界のトップ監督となった現在43歳のセリーヌ・シアマと共同で脚本を手掛け、“新しいパリ”の物語を、洗練されたモノクロの映像美で大胆に描き出した。
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コロナ禍で撮影期間が限定されたために、クランクイン前のリハーサルに力を入れ、いままでにない濃厚な作品づくりが行われたという。2021年第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でお披露目されるや、フランス映画界屈指の世代を超えたビッグコラボが大きな注目を集め、絶賛を浴びた。また、先日ノミネーションが発表された第47回セザール賞(授賞式は現地時間の2月25日)では、撮影賞、脚色賞、音楽賞、有望若手女優賞、有望若手男優賞の5部門に選出されている。
原作は、北米のグラフィック・ノベリスト、エイドリアン・トミネによる3つの短編「アンバー・スウィート」「キリング・アンド・ダイング」「バカンスはハワイへ」。トミネはニューヨーカー誌のカバーイラストや、「WEEZER」、「ヨ・ラ・テンゴ」といったミュージシャンのアルバムジャケットを手掛けることでも知られる。また自伝的物語を描いた最新作「Loneliness of Long-Distance Cartoonist」はA24とアリ・アスター製作でアニメ化が進んでいる。あらゆるカルチャー分野から熱い眼差しが注がれる、いま最注目の作家だ。
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併せて解禁された場面写真では、高層ビルの屋上で会話を交わすエミリーとカミーユ、ノラを交えて並木道を歩く3人、大学で講義を受けるノラの姿が切り取られている。注目作家の原作と、オディアールとシアマというフランス映画界の最前線を走る2人、稀有な才能がタッグを組んだ、映画ファン注目の話題作だ。
『パリ13区』は4月22日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。