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社会のリアルに迫る『アンネ・フランクと旅する日記』など傑作海外アニメ4選

『アンネ・フランクと旅する日記』のような長編アニメーションは例年、その多種多様な表現方法とクオリティの高さが評価されている

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『アンネ・フランクと旅する日記』(C) ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
『アンネ・フランクと旅する日記』(C) ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND 全 16 枚
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アニメーションでしか表現し得ないアプローチで、アンネ・フランクの生涯を新たな視点でたどるアニメーション映画『アンネ・フランクと旅する日記』

本作のような海外長編アニメーションは例年、その多種多様な表現方法とクオリティの高さが評価され、話題となっている。 その多くが戦争や難民の姿、社会の実態を描いた作品ばかり。その理由は、実写では表現が困難なシーン、例えば、戦争の残酷さ、当事者の心の叫びや恐怖を、アニメーションだからこその無限のクリエーションと手法で視覚に訴えかけることができるから。

ときに実写よりもリアルでストレートに、ときにファンタジーへと昇華させながらも問題を浮き彫りにし、観る者の想像力をかき立てながら心を揺さぶる。そんな海外アニメ映画作品をピックアップした。


>>『アンネ・フランクと旅する日記』あらすじ&キャストはこちらから

◆『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』2015年(フランス・デンマーク)

行方不明の祖父を捜すため北極点を目指す旅に出た少女の冒険を描いたフランス・デンマーク合作による長編アニメーション。19世紀のロシアを舞台に、北極探検の途中で消息を絶った祖父を探し出すべく旅に出る、ひとりの少女の姿を描き出す。“輪郭線のない絵画のような美しい映像”と”ハードな物語”を特徴とするフランス人監督レミ・シャイエの長編作。

アヌシー国際アニメーション映画祭で観客賞、TAAF(東京アニメアワードフェスティバル)2016でグランプリを受賞。また、亡き高畑勲が称賛したことでも知られている。

◆『トゥルーノース』2020年(日本・インドネシア)

北朝鮮の収容所に収監された家族が、過酷な環境で必死に生き抜く様子や、収容所の実態を生々しく描く。清水ハン栄治監督が実際に収容体験を持つ脱北者や元看守らにインタビューを行い、10年の歳月をかけ作り上げた。

アヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネート、東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」ほか、名門レインダンス映画祭では異例の2部門での招待作品、ワルシャワ国際映画祭ではフリースピリット部門の審査員特別賞、ナッシュビル映画祭では長編アニメ部門グランプリ、韓国のプチョン国際アニメーション映画祭では長編部門の特別賞を受賞するなど世界中で話題となった。

◆『ブレッドウィナー』2017年(カナダ・アイルランド・ルクセンブルク)

タリバン政権下のアフガニスタン・カブールを舞台に、ある日突然タリバンに連行された父を救いだそうと、男装して奮闘する少女の姿を描く。伝統的な2Dの手描きアニメーションによって再現されるリアルなカブールの町並みと対比させるように、主人公・パヴァーナが語る物語の世界は、切り絵アニメーションで色彩やかに描かれ、2つの異なるスタイルのアニメーションが物語の力で困難な現実を強く生き抜く主人公の姿を一層輝かせる。

アンジェリーナ・ジョリーが製作総指揮、『ウルフウォーカー』『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』などで知られるアイルライドのアニメーション・スタジオ「カートゥーン・サルーン」が製作。第90回アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた社会派アニメーション映画。

◆『アンネ・フランクと旅する日記』2021年(ベルギー・フランス・ルクセンブルク・オランダ・イスラエル)

2022年に出版から75周年を迎え、ユネスコの世界記憶遺産に登録されている「アンネの日記」。本作では、アンネ・フランクの“空想の友達”キティーが、紡がれることのなかった日記の“その先”を求めて、時空を超えて旅をする。

監督は『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン。アニメーションでしか表現し得ないアプローチを用いて、イマジネーションと遊び心に満ちた現代のパートを新たに創出。青春を鮮やかに駆け抜けたアンネとキティーを、等身大に瑞々しく描いた。2021年カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション出品作品。

本作のアリ・フォルマン監督は、日本のアニメーションに影響を受けた1人。好きな監督・作品に宮崎駿の『もののけ姫』『ハウルと動く城』、今敏の『パーフェクト・ブルー』を挙げ、特に今監督の『パブリカ』は『コングレス未来学会議』を作るときに多大な影響を受けたと語っているほど。

「アニメーションのメッカである日本で、自分のアニメーション映画が公開されるのは今回で3度目。個人的レベルで、大きな栄誉と感じている」と公開に寄せて喜びの声を寄せている。

『アンネ・フランクと旅する日記』は3月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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