宮崎駿監督のアニメーション映画『となりのトトロ』が、イギリスの名門演劇カンパニー「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」(RSC)によって初めて舞台化されることが決定。この秋、ロンドンのバービカン劇場で上演される予定だ。
サツキとメイの姉妹が、森で出会った不思議ないきものトトロとの交流を描き、1988年に公開されたアニメーション映画『となりのトトロ』。今回の舞台化は、映画音楽を手掛けた久石譲が提案し、宮崎監督がこれを快諾したことで始まった。今作では、久石さんがエグゼクティブ・プロデューサーを務める。
以前から『となりのトトロ』の舞台化を熱望していたRSC。演出は「アクナーテン」でローレンス・オリヴィエ賞を受賞、数々のオペラ作品を手掛けてきたフェリム・マクダーモット。脚本は、書き下ろし作品「オッペンハイマー」でRSCが世に送り出した注目の若手脚本家トム・モートン=スミスが手掛ける。
舞台化にあたり久石さんは「日本にはミュージカルや舞台を好きな人が大勢います。ところが、日本発の世界中で上演されているオリジナル舞台作品、あるいはミュージカル作品がありません。『となりのトトロ』は世界中の人が知っている日本の作品です。もし舞台になったら、世界に出ていく最初の作品になるんじゃないか、そういう思いがあって『僕が観たい』と、宮崎さんに話した」と今回のプロジェクト始動のきっかけを明かす。
続けて「外国で舞台化すると、スペクタクルになってしまう心配があります。トトロが飛び回ったりすることがないよう、僕は言い続けています。お互いに率直に意見を言い合える、いい関係で作っています。とても素晴らしい舞台になると思っています」と期待を寄せている。
また、題字を手掛けたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも「果たしてどうやってトトロと出会えるのか。とても楽しみにしています」とコメントしている。
なお本作は、演出のフェリム・マクダーモットが主宰するカンパニー「インプロバブル」が制作協力し、RSCと日本テレビの共同制作となる。
「MY NEIGHBOUR TOTORO」は10月8日(土)~2023年1月21日(土)ロンドン・バービカン劇場にて上演。※10月8日(土)~14日(金)はプレビュー期間