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【ネタバレあり】「オビ=ワン・ケノービ」3話:ついに直接対決!オビ=ワンとダース・ベイダーの“再会”は賛否両論に

「オビ=ワン・ケノービ」初回2話が配信開始日に最も多く観られたディズニープラスオリジナル作品となった中、最新3話ではオビ=ワンとベイダーの直接対決が早くも実現! しかし…

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「オビ=ワン・ケノービ」(C)2022 Lucasfilm Ltd.
「オビ=ワン・ケノービ」(C)2022 Lucasfilm Ltd. 全 5 枚
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《text:Reiko Uehara》

2005年公開の『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』以来、17年ぶりにユアン・マクレガーがオビ=ワンを再演、ヘイデン・クリステンセンが暗黒卿ダース・ベイダーとして戻ってくる「オビ=ワン・ケノービ」。

初回2話は配信開始日に最も多く観られたDisney+(ディズニープラス)オリジナル作品となり、世界的な注目度の高さを実証した中、最新3話ではオビ=ワンとベイダーの直接対決が早くも実現! しかし、劇中ではその“再会バトル”で、そして番組外では以前から「スター・ウォーズ」シリーズに噴出していた人種差別問題が話題の的となっている。


アナキンの影に怯えるオビ=ワン…“あの頃”の彼はもういない


10年間、銀河のはずれの砂漠の星タトゥイーンで、自らを“ベン”と名乗りながら、ルークの修行をするという建前のもと隠遁生活を送っていたオビ=ワン(ユアン)。しかし、オルデランの王女としてルークとは別々に育てられていたレイア(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)が誘拐されてしまい、その救出のために10年ぶりにライトセイバーを手にし、タトゥイーンを後にする。

前回、なんとかレイアを助け出したオビ=ワンは、助けてくれる仲間がいるとされる鉱山惑星マプーゾに辿りつく。だが、そこは帝国軍のストームトルーパーだらけ。農家の親子のフリをして貨物を運搬するフレック(ザック・ブラフ)にヒッチハイクを頼むも、彼は帝国の信者だった。

レイアからフレックに挨拶しないのかと言われたオビ=ワンだが、『エピソード4/新たなる希望』の初登場時(演:アレック・ギネス)や『エピソード3/シスの復讐』のころのように、軽妙に「Hello there.(やあ)」とはもはや言わない。新3部作のころの、落ち着いていて気高くも、どこか楽観的な一面のあったオビ=ワンの姿はもうないのだ。

初回2話で時間をとって描かれたこの事実を受け止めきれないと、3話がさらにしんどいものとなるのは致し方ない。オビ=ワンは今回もまた、これまでに見せたことのない無様な姿をさらし、冒頭からアナキンが暗黒卿ダース・ベイダーとして生きていたことへの動揺をまったく隠せないでいる。その恐れや執着は、もはやジェダイマスターとは到底かけ離れたものだ。SNSやロッテントマトなどを見てみると、概ね初回2話は評価をしているが、ここ3話で賛否両論がはっきりと分かれてきたようだ。

そして、頑ななオビ=ワンと好奇心旺盛で柔軟なレイアの凸凹なコンビには、ヒッチハイクの道中、レイアが「本当の親がどんな人物なのか、時々想像する」と打ち明けるシーンがあった。彼女の両親、アナキンとパドメを最もよく知る友人であったオビ=ワンは、レイアと自分自身を重ね合わせ、かつての師匠クワイ=ガン・ジンに出会う以前、ジェダイの修行のため両親や弟と幼くして別れたことを初めて語っている。


赤と青のライトセイバーの激突!しかし…


結局フレックに告げ口され、再びピンチを迎える2人。そんなときでもオビ=ワンはライトセイバーではなく、『エピソード3/シスの復讐』で「野蛮な武器」と言い捨てていたブラスターを抜く。それに、ロックされたゲートのスイッチ部分をブラスターで破壊するのは「スター・ウォーズ」のお約束でもある。

絶体絶命のオビ=ワンとレイアを救ってくれたのは、彼らのようなジェダイやフォース感知者の脱出を手助けてきたという“反乱者”ターサだ。「ゲーム・オブ・スローンズ」のエラリア・サンド役で知られるインディラ・ヴァルマが演じている。彼女の計らいのもとレイアと逃げようとするオビ=ワンの前に、ついにベイダーが現れる!

ダース・ベイダーのくぐもった独特の声の主は、『エピソード4/新たなる希望』からずっとその声を務めてきたジェームズ・アール・ジョーンズ、御年91歳。ベイダーの声としては『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、そして『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』以来の登場となった。

オビ=ワンをおびき出すかのように、住民たちを無作為にフォースによって手にかけていくベイダー。その前に、フードを深く被ったアナキン(ヘイデン)の幻影を見ていたオビ=ワンは怯えまくり、唐突に抜かれた赤いライトセイバーに対して……まず、逃げる! そして、その声を聞いて反射的に、ようやく(3話終盤になって)ライトセイバーを光らせるのだ。

ところが、10年間修行をすることもなく、フォースも戦士としての勘もすっかり鈍ったオビ=ワンは迫りくるベイダーに防戦するのが精一杯。そのあまりの無様の姿は、ベイダーから「衰えたな」と言われてしまうほど。「なんて姿になった」とようやく絞り出すも、「お前が作ったのだ 今のこの私を」と返すベイダー。結局ターサの助けがなければ、オビ=ワンはムスタファーでのアナキンのように致命的な深手を負っていたはずだ。

ちなみにオビ=ワンは、この数年後、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」シーズン3での出来事として、「クローン・ウォーズ」で生きていることが判明し『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』にも黒幕として登場したダース・モールとの最終決戦が控えている。今回の実写版「オビ=ワン」にモールの登場はなさそうだが、このときのオビ=ワンはアレック・ギネスが演じたような鋭利さを取り戻したオビ=ワンである。

やはり、ムスタファーで“アナキンが死んだ”ときに、オビ=ワンの中でも確かに何かが失われたようだ。彼の魂の救済の物語は、残り3話で回収されるのだろうか。「どうしちゃったんだよ、オビ=ワン・ケノービ!?」と誰よりも拍子抜けしているのは、ほかならぬベイダー/アナキンなのだから。


主演・製作総指揮のユアン「この世界にレイシズムの居場所はない」


3話配信の前に、本作で尋問官リーヴァ/サード・シスターを演じているモーゼス・イングラムが、心ない人種差別メッセージが大量に彼女のSNSに届いていることを告白、それを受けてスター・ウォーズの公式Twitterが「私たちが言えることはただ1つだけ、差別に立ち向かいます。スターウォーズの銀河には2000万種以上の知覚生物がいます。差別主義者になることを選ばないでください」と表明しただけでなく、主演で製作総指揮であるユアンが異例のパーソナルメッセージを寄せた。

ユアンは「一部のファンの中にモーゼスに差別的なメッセージを送っている人が聞いて心をとても痛めています。モーゼズはすばらしい俳優であり、女性です。このシリーズに欠かせない存在です」と語り、彼女へのサポートを表明。加えて、「彼女にこうしたメールを送っている人は、私の中ではスター・ウォーズのファンではありません。この世界にレイシズムの居場所はありません」と、マスター・ケノービのごとく明言した。

過去には、『最後のジェダイ』のローズ役で知られるアジア系女優ケリー・マリー・トランに対しても激しい誹謗中傷があり、彼女はSNSをやめてしまった。「スターウォーズ」の銀河とは、多様性と包括性の象徴ではなかったのかと改めて問いたくなる。

「オビ=ワン・ケノービ」は毎週水曜16時よりディズニープラスにて独占配信中(全6話)。


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《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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