俊英・シャオ・ヤーチュエン監督による台湾・日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』よりメイキング映像が解禁された。
バブル期の到来を迎えた台湾を舞台に、自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子を描く本作。
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この度解禁されたのは、11歳のリャオジエ(バイ・ルンイン)の優しき父親リャオ・タイライ役を演じたリウ・グァンティンの役作りの様子を捉えたメイキング映像。
本作で、タイライは趣味でサックスを夜な夜な吹いているというシーンが出てくるのだが、サックス奏者の役というわけでもないのにリウ・グァンティンは役作りのため半年前から毎週マンツーマンのレッスンを続けていた。
メイキング映像では、先生とマネージャーから毎週進歩が早いですと褒められると、「(マネージャーに)どうせ最後の方のレッスンしか知らないんでしょ」とこれまでの苦労を思い出したのか思わず苦笑い。すると「始めた時を記録している」と言われ、初期の頃からちゃんとチェックされていたことを知ると、先生に「先生ありがとうございます。いつかソロリサイタルを開くよ。冗談だよ(笑)」と笑顔でジョークを言う姿も。グァンティンの真面目でお茶目な人柄が伝わってくる映像となっている。
グァンティン演じるタイライは、レストランの給仕長の仕事をしながら幼い息子と慎ましやかな生活を送り、いつか自分たちの家を買い、亡き妻の夢だった理髪店を開くという夢を持つ。独学で散髪の練習をしたり、リャオジエの訪問着を手作りで拵えたりしていたので、グァンティンの役作りの苦労は多岐にわたっていた。
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グァンティンは「僕たちが生きている現代とは全く違う時代の人なので彼に近づけるよう哲学や内面の思考について書かれた本を読みました。大変だったのはミシンです。器用ではないので、足踏みミシンには苦労しました。あとはサックスも半年ほど練習しましたね。他には、当時のことを知るために、昔の時代を背景にした映画をいくつか観ました」と語っている。
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『オールド・フォックス 11歳の選択』は6月14日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。