北村匠海が初めて短編映画の脚本・監督を務める映画『世界征服やめた』に、萩原利久、藤堂日向、井浦新が出演することが分かった。
彼方は、社会の中で生きる内向的な社会人。変化の乏しい日常をやり過ごす中で、「自分なんて誰にも必要とされてないのではないか…」と自分の無力さを感じていた。どこか飄々として、白黒をはっきりさせたがる彼方の同僚・星野の選んだ決断に、彼方の人生は大きく揺れ動く。
「死」の意味を知るとき、明日の選択は自分でできることを知る。世界征服という途方もない夢を追いかけるよりも、自分にしか描けない道がきっとある――。
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「ショートショートフィルムフェスティバルアジア 2024秋の国際短編映画祭」でワールドプレミア上映、磯村勇斗が企画・プロデュースを務める「しずおか映画祭」で上映が決定している本作は、ポエトリーラッパー・不可思議/wonderboyの楽曲「世界征服やめた」に強く影響を受けた北村が脚本を書き下ろし、自らメガフォンをとった。
北村監督とプライベートでも親交がある、「美しい彼」シリーズの萩原利久が主人公の彼方。彼の人生に影響を与える同僚・星野を、舞台「毛皮のマリー」、『東京リベンジャーズ』に出演、北村監督が才能に惚れ込んでオファーした藤堂日向が演じる。また、友情出演となる井浦新は、彼方が通うお店の店長役で登場する。
萩原は「友達が作る作品に出るというのが初めてで、何か不思議でもあり嬉しい気持ちにもなりました」と話し、「役に関しては、匠海が自分にこの役を用意してくれたのがすごく納得できるし、多分この役は北村匠海も演じることができると思います。このような表現は普段役を演じる時に使うことがあんまりないんですけど、それぐらい心の深い所でキャッチできた部分があった気がしました」と語る。
藤堂は「監督・北村匠海の初めての作品に関われた事を本当に光栄に思っております。誰もが持っているけれど、どこかに眠っているそれぞれの心の原風景を少しでも感じていただけたらなと思います」とコメントしている。
併せて、夢を見ること諦めて漠然と生きる彼方と星野の刹那的な空気感をとらえたキービジュアル、暗闇の中でもがく焦燥感や絶望感を打ち出した予告編も公開された。
『世界征服やめた』は2025年2月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。