傑作ドラマ『トンイ』の主人公は歴史的に淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏として知られる女性だ。低い身分の出身ながら、19代王・粛宗(スクチョン)の側室となり、のちの21代王・英祖(ヨンジョ)の生母になっている。
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「時代劇の巨匠」と称されたイ・ビョンフン監督が、2010年に『トンイ』を制作する前に、淑嬪・崔氏は韓国であまり知られていなかった。確かに聡明だったとされるが、その人物像は史実では謎の部分が多かったのだ。
それでも、イ・ビョンフン監督はドラマで淑嬪・崔氏を描くことにこだわった。キャスティングされたのがハン・ヒョジュであり、序盤の子供時代を演じたのがキム・ユジョンだ。
ハン・ヒョジュは、イ・ビョンフン監督から撮影前に徹底的に演技指導を受けた。すでにメガヒット作『華麗なる遺産』の主役を演じてトップクラスの女優になっていたハン・ヒョジュだが、イ・ビョンフン監督は容赦しなかった。まるで新人のように鍛え抜いたのだ。当時のことをハン・ヒョジュがこう語っている。
「まさに、個人レッスンという形で教えてくださいました。実際には、監督が演出された『チャングム』『イ・サン』といったドラマの台本を元にして、私に必要だと思われるシーンを監督自ら選んでくださり、私が演じてみました。そのときも、私ひとりでやるというよりも、監督も一緒に演技をしてくださいました」
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大きく成長した2人の女優
まさにマンツーマンの指導だった。ハン・ヒョジュもプライドがあったことだろうが、徹底して主演女優を鍛え抜くのがイ・ビョンフン監督のスタイルなのだ。その情熱は子役にも向けられた。まだ10歳だったキム・ユジョンもイ・ビョンフンから厳しい指導を受けた。
そのときのことをキム・ユジョンがこう振り返っている。
「『トンイ』の撮影をしているとき、たくさんのことを監督から学びました。他の俳優たちは大変だと言っていましたが、その通りでした。私の場合は発声です。よく直されました」
こうした巨匠の指摘は、ハン・ヒョジュとキム・ユジョンを大きく成長させたことだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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