ファンタジー要素が強い「奇想天外ドラマ」をランキング形式で紹介しよう。独自の世界観と個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語が、見る人の心を深く揺さぶる。幻想的な要素に現実味を与えることで、非現実的な設定でも強く感情移入できる。まさに、人間の心の葛藤を巧みに描き出している傑作ばかりだ。
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●ランキング5位/『ヒップタッチの女王』(2023年)
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〔こんなストーリー〕ハン・ジミンが演じるポン・イェブンは、静かな町で動物たちに寄り添う獣医。しかし、ある日、牛の診察中に彼女の頭上へと流星が降り注ぎ、人生が一変する。流星の力により、動物や人間のお尻に触れることで、過去の情景が鮮やかに見える不思議な能力を得たのだ。
一方、イ・ミンギが演じるエリート刑事は、都会の喧騒から離れた田舎に左遷されたばかりで、再びソウルの華やかな捜査隊へ戻りたいと願っている。彼は、イェブンのユニークな力に目をつけ、彼女と共に数々の事件に挑むことを決意していく。
●ランキング4位/『明日』(2022年)
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〔こんなストーリー〕就職活動に失敗して絶望の淵に立たされていたジュヌン(ロウン)は、橋の上で自殺を図る人を助けようとして川に転落する。意識を失い、生死の境をさまよう中、憐れんだ「死神グループ」(多くの死神が各部署に所属している)が、彼に条件付きで命を与えることを決めた。
その条件とは、「自殺を防ぐ仕事のアシスタントになること」であった。ジュヌンの上司となったク・リョン(キム・ヒソン)の圧倒的な迫力が、物語に強烈な印象を与えていた。
●ランキング3位/『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』(2020-2021年)
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〔こんなストーリー〕大統領官邸で腕を振るう天才シェフが罠にかかり、刑事に追われる。逃げる途中でプールに落ちた瞬間、朝鮮王朝時代の王宮へとタイムスリップしてしまう。シェフの魂は、なんと王妃の身体に入り込んでしまったのだ。
こうして、優雅で高貴な王妃が、粗野で男勝りな言動を見せ、周囲を巻き込んだ大騒動へと発展していく。特筆すべきはヒロインを演じたシン・ヘソンの卓越した演技力。また、国王役のキム・ジョンヒョンの真面目すぎる反応が、笑いを倍増させていた。
●ランキング2位/『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』(2019年)
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〔こんなストーリー〕人生に未練を抱えたまま旅立つ幽霊たちのために用意された「ホテルデルーナ」。社長のマンウォル(IU)は、気まぐれで自己中心的な一面を持ちながらも、あの世へ向かう途中の魂たちの繊細な心情を感じ取り、温かなもてなしを提供している。
彼女に父親が20年前に命を救われたことからホテルマンとして働くことになったチャンソン(ヨ・ジング)。幽霊に対して恐怖心を抱く彼が、マンウォルと共に不思議なファンタジーの世界を築いていく。その過程はまるで夢の中を漂うような心地よさと不思議な魅力に満ちている。
●ランキング1位/『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』(2016~2017年)
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〔こんなストーリー〕キム・シン(コン・ユ)は高麗時代の勇敢な武将。国王の裏切りによって胸に剣を突き立てられ、命を落とす……はずであったが、彼は死にきれず、「トッケビ(オバケ?)」として900年以上も生き続けている。彼が安息を得て成仏するためには、「トッケビの花嫁」と呼ばれる特別な女性によって胸の剣を抜いてもらう必要があった。そして、ようやくその女性を見つける。
それが、まだ高校生のウンタク(キム・ゴウン)だった。さらに、イ・ドンウクが演じる「死神」も物語に加わり、緊張感とときめきの世界が展開される。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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