今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気の韓流スターたち。ただ、そんな彼らにも「運命の一作」があったはず。
特に韓国ドラマ界において時代劇は、若手俳優の「登竜門」であり、同時に「真価が問われる場所」とも言われています。彼らがトップの座を不動のものにした、あるいは俳優としての評価を確立した伝説的な時代劇をプレイバック。現在の洗練された姿とは異なる、情熱に満ちた「あの頃」の熱演を振り返ります。
【写真】パク・ボゴムが“聖君ビジュアル”で演出した“暴君スタイル”
映画『ワンダーランド』でのペ・スジさんとの華やかな共演や、新作ドラマ『本当にお疲れさまでした』『グッドボーイ』への出演など、常に第一線で輝き続けているパク・ボゴムさん。
その誠実な人柄と確かな演技力で「国民の彼氏」と称される彼が、俳優として爆発的な人気を確立した記念碑的な作品が、初の時代劇主演作となった『雲が描いた月明り』です。
2016年に放送された同作で、パク・ボゴムさんが演じたのはツンデレな世子(セジャ)のイ・ヨン。ユーモア溢れる一面と、愛する人を守り抜く強さを併せ持つ魅力的なキャラクターを演じ、最高視聴率25.3%を記録する社会現象を巻き起こしました。
しかし、華々しい成功の裏で、パク・ボゴムさんは大きな葛藤と向き合っていました。初の時代劇主演という重圧に加え、序盤はキャラクターの方向性を掴むことに苦労したといいます。

「最初はイ・ヨンのキャラクターをどう表現すべきか悩み、自信を失いかけたこともありました。時代劇特有の発声や所作、そして感情のバランスを保つのが難しかったのです」と、当時の心の内を明かしています。
そんな彼を支えたのは、事務所の先輩であるチャ・テヒョンさんや、共演者たちの温かい助言でした。
特に、現場でのコミュニケーションを大切にするパク・ボゴムさんの姿勢は有名です。台本を徹底的に読み込み、監督と何度も対話を重ねることで、独自の「イ・ヨン」像を作り上げていきました。
撮影現場では常に笑顔を絶やさず、スタッフ一人ひとりを気遣う姿は、まさに作中の世子のような包容力を感じさせたと評判でした。
パク・ボゴムさんの演技について、多くの専門家や視聴者は「瞳で語る俳優」と評価しています。特に、ヒロインのラオン(キム・ユジョンさん)を見つめる優しい眼差しや、政治的な対立に苦悩する鋭い表情など、言葉を使わずに感情を伝える表現力は圧巻でした。
まさに同作を通じて、彼は「単なる若手スター」から「数字と実力を兼ね備えたトップ俳優」へと一気に成長を遂げたのです。
彼自身、この作品を振り返り、「自分一人ではなく、多くの先輩方やスタッフの助けがあって成し遂げられた作品です。イ・ヨンとして過ごした時間は、僕の俳優人生において何物にも代えがたい宝物になりました」と語っています。
『雲が描いた月明り』で見せた、少年のような純粋さと大人の男性としての凛々しさ。その二面性を完璧に演じ分けたパク・ボゴムさんの挑戦は、今もなお多くのファンの心に深く刻まれています。
さらに最近では、キム・ハンミン監督の新作時代劇『剣:コドゥマクハンの剣』(原題)の出演が報じられ、大きな話題を呼んでいます。
同作は、高句麗滅亡直後、記憶を失い奴隷となった一人の男が、伝説の剣を懸けた剣闘大会に身を投じることから始まるブロックバスター・アクション時代劇。パク・ボゴムさんは記憶を失った武士「チルソン」役を務め、これまでの爽やかなイメージを覆す新たな境地を見せてくれるに違いありません。常に謙虚さを忘れず、さらなる高みを目指し続ける彼の歩みから、今後も目が離せません。
(文=森下 薫)
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