※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

デルフィーヌ・セリッグ唯一の長編監督作『美しく、黙りなさい』制作50年記念、日本劇場公開決定

女優デルフィーヌ・セリッグが監督として残した唯一の長編監督作のドキュメンタリー『美しく、黙りなさい』が7月24日(金)より公開されることがが決定した。

映画 洋画ニュース
注目記事
『美しく、黙りなさい』©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone deBeauvoir
『美しく、黙りなさい』©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone deBeauvoir 全 18 枚
拡大写真

女優デルフィーヌ・セリッグが監督として残した唯一の長編監督作のドキュメンタリー『美しく、黙りなさい』が7月24日(金)より公開されることがが決定した。

デルフィーヌ・セリッグは、シャンタル・アケルマン監督作『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975年)の主演女優として知られる。同作は英国映画協会の2022年度版ランキングで「映画史上ベストワン」を獲得し、若い映画ファンにも広く注目されている。

アラン・レネ、フランソワ・トリュフォー、ルイス・ブニュエル、マルグリット・デュラス、ウルリケ・オッティンガーらの監督作にも出演した伝説的な女優だ。

本作は1975年と1976年、ハリウッドとパリで撮影された。デルフィーヌ・セリッグは女優たちに2つの質問を投げかけた。

ひとつは「もしあなたが男性だったとしても、この職業を選びましたか?」、もうひとつは「他の女優と友好的な場面を演じたことがありますか?」だ。

当時、女優たちがジェンダーについて答えることは、男性中心の映画業界でブラックリストに載りかねないリスクを伴うものだった。

『美しく、黙りなさい』©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone deBeauvoir
『美しく、黙りなさい』©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone deBeauvoir

映画に登場するのは23人の女優たち。『ジュリア』(1977)のジェーン・フォンダ、『アパートの鍵貸します』(1960)のシャーリー・マクレーンといった大物女優2人をはじめ、『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974)のジュリエット・ベルト、ゴダール『中国女』(1967)のアンヌ・ヴィアゼムスキー、『カッコーの巣の上で』(1975)のルイーズ・フレッチャー、『血塗られた墓標』(1960)のバーバラ・スティール、『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(1972)でスター女優になった若きマリア・シュナイダーら、有名な映画女優からテレビドラマの女優、まだ無名の女優まで様々な顔ぶれが揃っている。

女優たちは率直に、親密に、時にユーモラスに語る。そこから「50年で変わったこと」と「50年たっても変わらないこと」が見えてくる。

原題は「Sois belle et tais-toi !」、英語題は「Be Pretty and Shut Up!」。「美しくありなさい、そして黙っていなさい」という意味のこの言葉は、元々フランスの映画・演劇業界などで女性に対して使われていた表現と言われている。今では英語圏でもジェンダー差別を象徴する言葉として使われる決まり文句だ。

デルフィーヌは社会のジェンダー差別に声をあげ、女性の権利を映像で伝えようと活動した人物でもあった。

『美しく、黙りなさい』©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone deBeauvoir

この度解禁された日本版メインビジュアルは、ビデオカメラを構える監督デルフィーヌ・セリッグの姿を前面に、その後ろに映画に登場した女優ヴィヴァ(60年代のアンディ・ウォーホル作品で知られる)が映り込んでいる写真と、「Sois belle et tais-toi !」という言葉を配置。「tais-toi(黙りなさい)」に引かれた赤いラインが、「いいえ、黙りません」というセリッグや女優たちの意志を反映するかのようで印象的だ。

また、今回の上映素材は、デルフィーヌ・セリッグも創設者の1人であるボーヴォワール視聴覚センターとフランス国立図書館が主導し、2022年に修復したもの。翌年2月にフランスで再公開されると、「#MeTooのはるか前に、これほど重要なドキュメンタリーがあったとは!」と大きな話題になった。

『美しく、黙りなさい』©Families Seyrig and Roussopoulos Archive / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir

今回の日本公開にあたり、デルフィーヌ・デルフィーヌの息子ダンカン・ヤンガーマンが配給会社のインタビューに答えた。撮影当時19歳だった彼は、母がジェンダー平等に関わっていく経緯と本作の制作の裏側を強く記憶しており、母に招かれて1週間ほど撮影現場で過ごした経験も語っている。

「50年後にこの映画がまだ関心を持たれていて、日本の配給会社に私が話を聞かれていると知ったら、母は驚くでしょうね。母がカメラの前でなく、カメラの後ろに立ちたいと、自分の映画を作り始めたのは『ジャンヌ・ディエルマン』がきっかけだと思います。25歳のシャンタル・アケルマンが、支援者がほとんどいない中で、あのように野心的な映画を作り上げたことは、母に勇気を与えました。彼女はきっと『シャンタルも成し遂げたのだから、自分にもできるはず』と思ったのでしょう」(ダンカン・ヤンガーマン)

なお、本作はその修復の主旨から、日本では、配信・テレビ・パッケージ化はなく、劇場上映と自主上映のみに限定されている。

「美しく、黙りなさい」そう言われ続けながらも、唯一無二の存在感を焼き付けた女優たちが語る言葉をぜひスクリーンで受け止めて欲しい。

『美しく、黙りなさい』は7月24日(金)よりBunkamura ル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次公開。

《シネマカフェ編集部》

特集

この記事の写真

/

関連記事

【注目の記事】[PR]