伊藤潤二の短編漫画「屋根裏の長い髪」がアジアンホラー映画として国際共同制作されることがわかった。
東映、タイのM Studio、韓国のShowboxの3社が手を組み、アジア向けホラー映画を映像化するプロジェクトが始動した。
M StudioはタイのM Distribution Co., Ltd.が運営し、タイ最大の映画館チェーン・Major Cineplex Groupによって2023年に設立された。ホラーシリーズ「Death Whisperer」などで商業的な成功を収め、タイの映画製作・配給においてトップクラスのシェアを誇る。
Showboxは韓国を代表する映画会社の一つで、Orion Group傘下のコンテンツスタジオだ。『10人の泥棒たち(英題:The Thieves)』、『タクシー運転手 約束は海を越えて(英題:A Taxi Driver)』、『破墓/パミョ(英題:Exhuma)』など、観客動員数1000万人を超える大ヒット作品を多数送り出してきた実績を持つ。
原作となる「屋根裏の長い髪」とは、「うずまき」や「富江」などの代表作で知られる伊藤潤二が、1988年に「月刊ハロウィン」に掲載された短編作品。2000年に映画化され、2023年にはNetflixで配信された「伊藤潤二『マニアック』」シリーズでアニメ化されるなど、繰り返し映像化されてきた人気作である。

本作の監督を務めるのは、Netflix映画『レッド・ライン』(英題:The Red Line)、『ハンガー:飽くなき食への道』(英題:Hunger)、第92回アカデミー賞でタイ映画を代表して国際長編映画賞部門に出品された『呪いのキス』(英題:Krasue:Inhuman Kiss)などの実績を持つシッティシリー・モンコンシリー。東南アジアで最も国際的評価の高い映画制作者の一人とされる。
コメント

シッティシリー・モンコンシリー監督
伊藤潤二先生の作品は、日常的な不安がじわじわと恐怖へと変貌していく、非常に独特で不穏な恐怖を描いています。今回の実写化にあたっては、美しさとアイデンティティを巡る心理的な緊張感を掘り下げ、感情的に訴えかけるリアリティと視覚的な強烈さを兼ね備えた映画体験へと昇華させたいと考えています。
東映株式会社 国際企画戦略部 企画室長 高田志織氏
このプロジェクトは、世界的にも唯一無二の魅力を持つ伊藤先生の作品を、真に国境を越えたコラボレーションによって映像化し送り届けることができる大変貴重な機会だと捉えています。私たちは伊藤先生が生み出したこの物語が、タイをはじめとするアジア全域のお客さんの心に響くものであるという確信をもって、M Studio に提案しました。鋭いクリエイティブな直感と深い市場理解を兼ね備えた M Studio、そして Showbox と共に取り組むことで、ローカルとグローバルの両方の視点からこの実写化にアプローチすることが可能になることを嬉しく思います。私たちは、これからより世界的なスケールでの映画を作り上げていくために、このようなパートナーシップが不可欠であると信じています。
M Studio 最高経営責任者(CEO) スラシェッド・アッサワルアンアヌン氏
私たちは「ジャンル映画」、特にホラーが文化の違いを超えて世界中の観客を結びつけることができると信じており、本作はその可能性を示すまたとないプロジェクトです。東映およびShowboxとのコラボレーションは、IPの力、そして開発から制作、配給に至るまでの各社の強みを結集させ、タイのローカル市場を超えたスケールにまで押し上げるでしょう。この取り組みが私たちにとって、エキサイティングなプロジェクトになることを期待しています。
Showbox コンテンツ配給部門長 ジュディ・ア氏
世界的に認められたIPと、それぞれが独自の強みを持つパートナーシップがこのプロジェクトの魅力です。東映およびM Studioと協力することで、クリエイティブに優れているだけでなく、国際的な観客に向けて戦略的にポジショニングされた作品を作り上げることができます。私たちはこのプロジェクトを、アジアのスタジオが共にグローバルな志を持っていかに緊密に連携できるかを示すことができる、大変有意義な事例だと考えています。
本作は2026年内に開発を完了し、2027年の撮影開始を目指している。キャスティングや各国でのリリースなどの詳細については続報が待たれる。


