『魔女がいっぱい』の原作は『チャーリーとチョコレート工場』で知られる児童文学の巨匠ロアルド・ダールの傑作。恐ろしくも優雅な魔女軍団やキュートなネズミが登場し、ちょっぴり毒っ気のある、老若男女から愛される物語をスクリーンに描き出したのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで知られる名匠ロバート・ゼメキスだ。さらに製作陣には『シェイプ・オブ・ウォーター』『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のアルフォンソ・キュアロン監督らアカデミー賞受賞歴のあるビッグネームが名を連ねている。彼らの持ち味といえば、想像力いっぱいに細部まで工夫を凝らしてワクワクのファンタジー世界を構築しながら、ときに大人でさえドキッとするようなシュールさやダークなユーモアを忘れないこと。
本作でのアン・ハサウェイ演じる大魔女<グランド・ウィッチ>の再現はまさに最たるもので、ダールの児童文学ではお馴染みのクェンティン・ブレイクの挿絵イラストから飛び出してきたかのよう。また、終盤で魔女たちが次々に“変身”していくシーンも見どころで、その愉快さ、痛快さには胸が小躍りする。ゼメキス監督はこれまで、パフォーマンスキャプチャーを用いた3DCGアニメーションで『ポーラー・エクスプレス』『Disney's クリスマス・キャロル』とクリスマスの幻想的な絵本や名著を映画化してきたが、本作ではCG技術と特殊メイクも交えた実写を融合させ、そのこだわりの作風を存分に生かしたクリスマスに楽しめる作品を完成させている。
(text:編集部)