何もかもが容赦ない! キアヌ・リーヴスという「存在感」
あのキアヌが帰ってきた!
スタイリッシュアクションの数々
静かな引退生活を送っていた元殺し屋の男がある事件によって全てを奪われ、たった1人で壮絶な復讐に立ち上がる。ここ数年、アクション作品から遠ざかっていたキアヌが満を持して取り組んだ主演作『ジョン・ウィック』は、全編クールで斬新なアクションで貫かれている。
監督のチャド・スタエルスキと製作のデヴィッド・リーチはスタントマン出身で『マトリックス』三部作にも出演。以来、キアヌとは気心の知れた関係だ。アクションを通してストーリーを語る演出は『マトリックス』的な華麗さよりもリアリティ重視。同業者も恐れるジョン・ウィックの伝説に説得力を与える。
キアヌは撮影前の4か月間、マーシャル・アーツ、射撃などで1日8時間週5日のトレーニングを重ねた。黒ずくめのスーツに身を包み、銃を無駄撃ちせずに相手を仕留め、近接戦では柔術ベースの多様なアクションを見せる。モダン建築のジョンの自宅、大勢の客で賑わうナイトクラブなど、空間を効果的に使うアクションも見逃せない。
強いだけじゃない、伝説の殺し屋ジョン・ウィックの「優しさ」
ひとたびスイッチが入ると容赦なく相手を倒すジョン・ウィックだが、誰彼かまわず命を奪う殺人マシーンでは断じてない。今の彼が倒すのは、自分の命を狙いに来た者だけ。そしてもちろん、亡き妻からの最後の贈り物、ビーグルの子犬・デイジーの命を無惨に奪ったロシアン・マフィアの一味だ。劇中には、最愛の妻と過ごした幸せな日々や、無邪気にジョンにまとわりつくデイジーとの交流も登場する。ほんのわずかな時間だが、シーンの1つ1つに優しさと愛情が満ちあふれているからこそ、復讐に燃える非情な男と化したジョンに感情移入できる。
裏社会に戻ったジョンが滞在するのは、同業者たちの常宿である「コンチネンタル」。ホテル利用者には厳然たるルールがあり、その掟を破ることは許されない。ジョンもまた、自身に危険が及ぼうともその掟を優先する。常識を超えた世界に備わる独特の秩序を守るその姿勢は、どこか侍を思わせるストイックさが漂う。
愛車にガンフー…見逃せないディテール
ジョンは無類のクルマ好きで、愛車は69年式マスタング。愛犬を乗せて、飛行場の滑走路を猛スピードで疾走する。この場面でのドリフティングも含め、ほとんどのシーンで実際にキアヌがハンドルを握っている。だが、この愛車に目をつけたロシアン・マフィアのボスのドラ息子によって、ジョンの運命は大きく狂わされるのだ。
最強の殺し屋として名を轟かせたジョンの戦術は、ここでは“ガン・フー”と呼ばれている。ジョン・ウー監督が80年代に撮り続けた香港ノワール映画で見せたスタイリッシュな銃撃と、人と人が組み合う格闘を融合させたスタイルだ。
スタエルスキ監督はカットを細かく割らず、一連の動きをしっかり見せる。数々のアクション作への主演で培ってきたスキル、新たに会得した技術……キアヌ自ら全てやっている! それがはっきり見てとれるのがファンにはたまらない。臨場感にあふれ、大スクリーンにふさわしい迫力の映像だ。
INFO
STAFF:
監督/チャド・スタエルスキ
脚本/デレク・コルスタッド
CAST:
キアヌ・リーブス「マトリックス」シリーズ
ウィレム・デフォー『プラトーン』
イアン・マクシェーン『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』
10月16日(金)全国公開
Motion Picture Artwork © 2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. © David Lee
『ジョン・ウィック』公式サイトはこちら
PRESENT

『ジョン・ウィック』クリアファイル【3名様】