常に自分に主導権を! 能動的であることのススメ
──マディはどのようにして彼らの心をつかんでいったのでしょうか?
何よりもまず、彼女が能動的であることが大きいと思います。従順についていくというよりは、自らアプローチし、相手をリードしていく。「また会える?」と言われても、「たぶんね」なんて返すし(笑)。決定権は常に彼女にあるわけです。それに、相手をよく観察していますよね。鋭い観察眼でエズラたちを見ているからこそ、心の空洞を見抜き、相手に合わせた最適なアプローチを導き出せる。しかも、マディの場合は相手だけでなく、自分自身のこともよく観察していますよね。新たな人物になりすます際、他者から自分がどう見えるかを鏡の前でチェックするシーンが出てきますが、彼女はああいった作業を幾度となく繰り返していると思うんです。自分を客観視し、点検する。そして相手の望む人物像を完璧に体現する。そういった観察眼がマディの武器になっているんじゃないかなと思いました。
──マディの振る舞いを一般の恋愛に応用することはできますか?
マディはプロであり、特殊能力を備えた“アスリート”のような人なので、素人が下手に真似しても失敗すると思います(笑)。でも、参考にできるところは多々ありますよね。やっぱり一番大事なのは、能動的であること。我々のところに話をしに来る女性たちには、「彼がLINEを返してくれない」「結婚を決断してくれない」というような物言いをする人が少なくありません。それはつまり、「してもらう」という受け身の側に自分を置いて、相手に決定権を与えちゃっていることを意味しますよね。受け身だと相手の決定待ちになってしまいますから、基本的に苦しい。その点マディは、嫌なことにはハッキリ拒否の態度を取るし、例えば恋人がなかなか結婚を決断しなければ、自分から「さよなら」と言うタイプの女性だと思います。簡単なことではないと思いますが、マディのように決断を下す側に立てれば、待つことの苦しみを回避できるし、相手にとっても魅力的に映ると思います。