米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019」(SSFF & ASIA 2019)が5月29日(水)より開催。新たなステージに立つ21年目は「Cinematic Attitude」をコンセプトに、厳選なる審査で選ばれた約200作品を上映。シネマカフェでは、今年注目のプログラムなどにフィーチャーし、魅力たっぷりのショートフィルムの世界をご紹介。
21年目となる今年の「SSFF & ASIA」は、「Cinematic Attitude」をコンセプトに5月29日(水)~6月16日(日)の期間で開催。世界130の国と地域から集まった約10,000本の作品の中から今回、厳選なる審査で選ばれた約200作品、日本初公開の第91回アカデミー賞関連作や、『ROMA/ローマ』のアルフォンソ・キュアロン監督による初期作品、実写映画『アラジン』のナオミ・スコットが出演する作品。ギャスパー・ウリエルやジェレミー・アイアンズなど、世界の名監督・名俳優によるショートフィルムも上映。
そして、2004年よりアカデミー賞公認映画祭となった「SSFF & ASIA」では、これまではグランプリ作品1点が翌年のアカデミー賞短編部門ノミネート候補となっていたが、今年より計4作品と推薦枠が拡大。そんな翌年のアカデミー賞候補を安藤桃子、かたせ梨乃、永瀬正敏らが審査する。
また、今年は日本全国どこからでもアクセス可能なオンライン会場を設置。日本初公開作品を含む映画祭ならではのラインアップで約50作品が視聴でき、またセレモニーのライブ配信も予定。さらに、女性フィルムメイカーを応援するプロジェクト「Ladies for Cinema Project」や、25歳以下の若手監督作品にフォーカスする「U-25プロジェクトsupported by 日本セーフティー」といった新たな企画も始動する。
「SSFF & ASIA」代表・別所哲也からメッセージ
映画祭20周年の節目を経て、新たなスタートをきる21年目のテーマは「Cinematic Attitude」。
映画祭のビジュアルに用いた、海外から伝わり日本で育まれたそれぞれ異なる文様には、成長、拡大、反映、繋がり、前進、芸能といった意味を込め、映画・映像の普遍的な力や、映画祭が発信していく多様性を表現しました。
昨年は20周年を記念して映画祭グランプリに世界初の「ジョージ・ルーカス アワード」の冠を頂き、今年はアカデミー協会より短編部門への推薦枠を4作品に拡大することが認められました。
私たち映画祭は世界基準の映画祭へと成長を続けています。
そして、元号も変わる新しい時代と共に映画祭は新たなステージに立ち、オンラインでの映画祭展開や女性フィルムメイカー、25歳以下の若手クリエイターたちにフォーカスした新プロジェクトに挑戦します。
映画・映像の未来へと向かう日本発の国際映画祭に今年もぜひご期待ください。
新しいショートフィルムの形
【BRANDED SHORTS】の世界
映画祭に4年前に誕生した「Branded Shorts」では、企業や広告会社が制作したブランディングを目的としたショートフィルム(ブランデッドムービー)を特集上映。
長編映画さながらの、リドリー・スコットが監督したトルコ航空の作品や毎回必ず感動させられるApple Inc. の作品など、ショートフィルムの新しい可能性を目の当たりにするプログラムが楽しめる。
映画祭では、従来の広告では伝えきれないブランドのメッセージや価値、世界感をショートフィルムで表現し、日本の動画マーケティングを牽引してきたネスレ日本と、「ネスレ ウェルネス アンバサダー」をテーマにした、全5話のオリジナルブランデッドムービー『上田家の食卓』のプレミア発表イベントも開催。
作品第1話は6月11日より、ネスレが手がけるWeb映画館「ネスレシアター」で配信を開始。
※ネスレシアターとは…
「ネスレアミューズ」のコンテンツのひとつで、すきま時間に無料で楽しめるWeb映画館。ここでしか観られないネスレの「オリジナル作品」や「世界のショートフィルム」を公開中。「オリジナル作品」は、映像を楽しみながらブランドやサービスの価値を感じられる“ブランデッドムービー”を、そして「世界のショートフィルム」は、「SSFF & ASIA」とのコラボレーションにより、厳選した作品を公開している。
ネスレシアター公式サイト:https://nestle.jp/nestle-theater/
ネスレシアターブランデッドムービー『上田家の食卓』
監督:平林勇
出演:MEGUMI、堀部圭亮、筒井真理子、東加奈子、小野花梨、木村皐誠 他
制作:2019年
尺:約5分×5話:25分
あらすじ:
上田家の朝の食卓。こじんまりとした食卓ながら、毎朝ワイワイと会話をしながら朝食を食べている。誰かの「この前こんな事があってさ」と言う一言から、上田家のボケとツッコミ合戦が繰り広げられ、たどり着く日常のちょっと大切なコト。個性あふれる家族が贈る愛のコメディシリーズ。
今年の注目作品は…
アカデミー賞受賞&ノミネート作品も
今年より新たに枠が増え、米国アカデミー賞短編部門に計4作品(オフィシャルコンペティション優秀賞とノンフィクション部門supporetd by ヤフー株式会社の優秀賞)が推薦できるようになった本映画祭。
今年は「第91回アカデミー賞」で短編実写部門受賞&ノミネートした作品から、日本初公開となる実写部門で見事受賞した『スキン』(Skin)。友人の死によって人生が変わった黒人少年の姿を描く、ドキュメンタリー部門ノミネートの『ブラックシープ』(Black Sheep)。そして、1980年代のトロントを舞台に離婚した、両親の間を行ったり来たりする小さな男の子の心情を描く、アニメーション部門ノミネートの『週末に』(Weekends)の上映が行われる。
お家で気軽に参加!
オンライン会場をチェック
21年目の映画祭を記念し、より気軽にショートフィルムを楽しめるオンライン会場も設置。セレブリティ出演&監督作品や世界の映画祭で受賞・ノミネートした作品の特集、25歳以下の若手監督にフォーカスした特集、5分以下のショートフィルムを集めた「Very Shortsプログラム」、子役が活躍する「チャイルドアクターズプログラムsupported by テアトルアカデミー」など、オンライン開催でしか見られない作品も登場。約50作品が5月29日(水)~6月16日(日)まで、何度でも観ることができる。
特に注目は、実写映画『アラジン』のナオミ・スコット主演『ハロー、アゲイン』。ほかにも、映画雑誌「Variety」にて“観るべき映画監督10人”のひとりに選ばれたRitesh Batra監督が贈る、靴磨きをする11歳の少年の物語『マスターシェフ』。最初に“いいね!”した人が最初に死ぬ、スウェーデン製作のユーモアありのホラー『いいね!』。芸人・永野のコントを原案に製作した『LOHAS』や『ZERO-焼きそばしかないキャバクラ』など、様々な国の作品がラインアップ。
Ladies for Cinema Projectについて
新たな企画、世界の女性フィルムメーカーを応援するプロジェクト「Ladies for Cinema Project」が始動。乳がんで胸を失った女性を描く、現代アマゾネスの苦闘と恋愛の物語『アマゾネス』や、10歳で教育と出会った少女の物語を描くドキュメンタリー『教育がもたらすもの』など、女性ならではの視点で描かれた力強い作品群が並ぶ。
プロジェクトプレゼンターを務めるのは、女優・木村佳乃。企画について木村さんはこうコメントしている。
「私自身の、これまでの人生や日々の生活と照らし合わせて、その世界に入り込んでしまう作品も多くありました。私が彼女の立場だったら? 私がこの子の母親だったら…? そして見終わった後、この作品を作り上げた監督や出演者たちを心から応援したくなりました。また、自身の仕事に対しての勇気やエネルギーももらいました。ショートフィルムは短い時間だからこそ、作り手のメッセージが、まるで誰かへ宛てた手紙のように、色濃く表現されています」。
PHOTO GALLERY