『エターナル・サンシャイン』レビュー
度々友人と議論するのですが、恋が終わった時、相手に貰った物や写真を全て捨てる人と、思い出として取っておく人と分かれます。その恋が忘れたいものなら、物はゴミに出したり燃やしたり出来ますが、記憶はゴミのように捨てることが出来ません。この物語に出てくる“記憶を消す会社”が実在するとすれば別ですが……。物語の主人公、ジョエルは元恋人を忘れるために記憶除去を決断します。使用されるのは思い出の品の数々。彼女からの手紙、一緒にお金を貯めた貯金箱…。これらを使って記憶をよみがえらせては消し、出会う前の白紙の状態まで戻って行きます。
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本作が普通のラブストーリーと異なるのは、記憶を消すプロセスを描くことで、別れ際の大ゲンカから何もかもが楽しかった付き合い始めまで時間をさかのぼりながら描いているところです。そして彼はその過程で影に隠れていた最初に恋する気持ちを思い出して行きます。やっぱり忘れたくない、と途中で後悔しても後の祭り。しかし記憶を消し去る手術をもってしても本当に大切にしたかった彼の思いはどこか無意識の中に刻まれ、巡り来るのか? 果たしてふたりの運命がどう交差するかは観てのお楽しみ。心がギュッとつかまれる程切なく、最高にロマンチックな物語です。
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