『キンキーブーツ』レビュー
イギリス映画といえば、スパイ、ギャング、そしてブルーカラーを描いた映画が定番のジャンルだけれど、本作は靴職人という労働者階級の人々を描いた作品。『フル・モンティ』『ブラス!』などと同様に、困難に直面した貧しい人々が、胸に芽生えたささやかな希望を武器に再生していくという、単純だけれど魅力的な物語。これは実話なのですが。
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
“kinky”とは、変な、風変わりな、性的に倒錯したという意味の英語。倒産を目前にしたとある田舎の靴工場が、ドラッグクイーン向けに丈夫なブーツを作ることになったことから起きる騒動と心温まるエピソードに、笑ったり泣いたり。それを成功させているのは、芸達者な俳優たち。中でも、一番の役者はドラッグクイーンを華やかに演じるキウェテル・イジョフォー。差別に傷つきながらも、威厳さえ漂わせている瞳が素敵。『堕天使のパスポート』や『ラブ・アクチュアリー』で顔はお馴染みなのですが、何せ名前が難しいので「?」な人も多いはず。とても良い俳優なので、ぜひこの機会に名前も覚えてくださいね。「SEXの秘密はヒールにあり」と、女性でも忘れがちな「真実」を突きつけてくれる本作。ペタンコ靴愛用者の私は少し反省いたしました。
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