『ユメ十夜』清水崇監督「第三夜」完成すべてが無事クランクアップ
こんな夢を見た…の冒頭で始まる、明治の文豪・夏目漱石の数ある作品の中で異色の魅力を放ち、漱石を解明するバイブルともされている短編小説「夢十夜」。映画化不可能とされてきた幻想小説に、日本が誇る天才・異彩監督10人が独自の解釈を取り入れて、十夜で成り立つオムニバス映画『ユメ十夜』を紡ぎあげる。
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東京国際映画祭では「第三夜」を除いた9夜のみの“TIFF特別バージョン”が上映されたが、この度「第三夜」が遂に完成。全10夜すべてが無事クランクアップを迎えたことを記念し、多摩川河川敷にて「第三夜」で夏目漱石を演じる堀部圭亮、漱石の妻を演じる香椎由宇、そして本作を監督した、今や海外での活躍も目覚しい清水崇を囲んで取材会見が行われた。
堀部圭亮(夏目漱石役)この作品は夏目漱石が「理解されるのに100年もかかるであろう」という言葉を残していて、それを100年後の自分が役者としていて演じることが出来て良かった。役作りや雰囲気については清水監督にお任せしました。漱石の残した100年後である今、皆さんのイマジネーションでその漱石がわかるだろうと思います。私自身、原作「夢十夜」を読んで、漱石に対するイメージが変わりました。また、本作もそんな作品になると思います。
香椎由宇(夏目鏡子役)演じる前までは30歳の母役だと思ってましたが、実は40歳でしかも6児の母役なんですね。ギリギリまで(30歳の役だと)嘘をつかれてました…。まさか10代で40代の役演じるとは思ってもみませんでした。着物を着ていて、その上に身籠っている役なのでとても動きづらかったです。
清水崇監督「夢十夜」は以前から映像化したいと思っていたので、プロデューサーからお話をいただいたとき、運命を感じました。また、僕の大好きな「第三夜」をやらせていただけるとのことで大変嬉しく思っています。僕を含め10人の監督が漱石ワールドを描いているので、お子さんからお年寄りまで、本当に楽しめるエンターテインメントとなっていると思います。また漱石は、本作を実際に子供を授かった時期に執筆されたと伺ってます。私自身も4ヶ月前に子供が生まれまして、父親の気持ちになれたときにこの作品をやれてよかったと思います。最近見た夢は、撮影でアメリカに行っているときに見た、初恋の人の夢です。
「第三夜」はまさに清水監督のお家芸ともいえる本格ホラー。盲目の幼な児を棄てようと森をさまよう夏目漱石に狂気が襲い掛かる…。大胆不敵で豪華絢爛な迷宮エンタテインメント『ユメ十夜』。初のお披露目は11月23日より開催されるTOKYOシネシティフェスティバル。全国公開は2007年新春となる。
《シネマカフェ編集部》
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