これぞ日本の本格ミステリー!『犬神家の一族』レビュー
ご存知の通り『犬神家の一族』は30年前に市川崑監督、石坂浩二主演で作られたミステリー超大作だ。過去の作品を現代版で、また日本映画をハリウッド版でリメイクすることは取り立てて騒ぐことではないが、同じ作品を同じ監督、同じ主演でリメイクというのは珍しい。というわけで、1作目を知る人にとっては新キャストで繰り広げられる犬神家の複雑な人間模様が最大のみどころ。そして、松嶋菜々子、富司純子、松坂慶子、萬田久子をはじめ期待を裏切ることのないオールキャストが実現した!
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物語は1作目とほぼ同じく大きな変化はない。犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛の遺言書がもたらす連続殺人。忌まわしき血の謎を解く名探偵・金田一耕助の推理。美しく悲しい親子の愛、男女の愛……と、結末を知っていても楽しめるのは、市川崑監督が愛して止まない横溝正史の原作の力に他ならない。リメイクであってリメイクではない、同じ題材であって新しい、作品自体がミステリーなのである。
また、ミステリー作品でありながら随所にユーモアが散りばめられているのも『犬神家の一族』の面白さのひとつ。金田一耕助のフケをまき散らす姿、あの疾走シーンも登場する(30年経っても違和感のない石坂浩二にびっくり!)。ほか、クスッと場を和ませるキャラクターたちを意外な人が演じていたり、サプライズもあるのでお見逃しなく! 「これぞ日本の本格ミステリー!」と誰もが納得してしまう娯楽映画の再誕生だ。
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