映画でクラシックピアノを楽しむvol.1 映画界のブームはまず『ピアノの森』から
日本は今、空前のクラシック・ブームと言われています。CDが売れないというこのご時制に、売り上げランキングの上位にはクラシックCDが食い込んでくるなんてことも珍しくなくなりました。かく言う私も、最近よく聴くのはクラシック音楽。ご他聞にもれず、「のだめカンタービレ」(コミック&アニメ)のファンです。普段、コミックを手に取ることはほとんどありませんが、TVで深夜に放送されていたアニメ版を偶然見てから、すっかりはまってしまいました。
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クラシック音楽が興味の対象となったせいでしょうか、最近では、これほど日常生活の中に、クラシックの話題があふれているのかと不思議になるほどです。それまで全く意味を成さなかったものが、何かのきっかけで大切なものとなるというのは驚くような体験です。
先日、元・美青年マット・ディロンが主人公を演じている、あの酔いどれ作家、チャールズ・ブコウスキーの自伝的小説の映画化作品、『酔いどれ詩人になるまえに』を観ていたら、あるシーンでラジオからクラシック音楽が流れてきました。「これってブラームスっぽい…」と思っていたら、ブラームスの交響曲第3番だと判明。なんだかウキウキしました。このように、自分の世界が少しだけでも広がれば楽しみもぐんと広がるわけで、いろいろな映画の中のクラシック音楽にも注意が向くようになりました。
クラシック音楽は映画と相性が良いことはご存知の通り。『2001年宇宙の旅』、『地獄の黙示録』など、映画の代名詞とも言える存在になった楽曲もあります。ところが今年下半期には、サウンドトラックとしてでなく、クラシック音楽を主たる題材に用いた映画が日本で立て続けに公開されます。製作年度も製作国も様々なので、これも“のだめ現象”に端を発したクラシック・ブームを反映した買い付けの結果なのでしょうか?
中には日本で製作されたものも。累計350万部を突破した一色まことの人気漫画を映画化したアニメ作品『ピアノの森』(7月21日公開)は、森にあるピアノから音を奏でることのできる唯一の少年・海と、彼を取り巻く人々の物語。映画の要となる音楽は、現在NHK交響楽団の音楽監督を務めるマエストロ、ウラディーミル・アシュケナージが監修(9月からはN響桂冠指揮者に就任予定)。現在は、指揮者として活躍する彼ですが、「ショパン国際ピアノ・コンクール」で2位、「エリザベート王妃国際音楽コンクール」、「チャイコフスキー国際コンクール」で優勝している名ピアニスト。あのラフマニノフのピアノコンチェルトを得意とし、何枚もCDをリリースしているほどの腕前の持ち主。その彼が、主要なシーンで実際にピアノ演奏を行っているので必聴ですよ。
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