忙しく働く現代の日本人にも突き刺さる! 『シッコ』が提唱する正しい医療制度とは?
『ボーリング・フォー・コロンバイン』ではアメリカの銃社会、『華氏911』では9.11同時多発テロと、毎回きわどいテーマをドキュメンタリーで堂々と描いては、議論をかもしているマイケル・ムーア。その彼が最新作の題材に選んだのは、アメリカの医療制度。
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医療制度? と聞いてもピンと来ない人も多いかもしれないが、医療費が全て税金でまかなわれ、誰もが無料もしくはかなり安い金額で医療を受けられる先進国が多い中、アメリカでの医療はまず保険ありき。しかも保険への加入審査がとても厳しく、加入していてもなかなか保険がおりない、という曲がった現状。そこに問題提起しているのが『シッコ』だ。
ドキュメンタリー映画と言えば、どちらかと言うと堅苦しいイメージが強かったのではないだろうか? だがムーアは「ドキュメンタリー映画だって面白い!」と広めた第一人者。ストーリーの運びがうまく、極めてシリアスなテーマでも面白おかしく、さらにはきちんとオチと感動の涙まで抜かりない。
今回の題材は今までと比べて少々取っつきにくいが、映画を観ているうちに身近に感じさせるところが、さすがムーア。例えばフランスでは保育所はすべて無料、有休も徹底されているためゆとりが生まれ、生活の満足度が高く、実際平均寿命もアメリカより長い…これは病気に無縁でも、忙しく働く現代の日本では突き刺さる人が多いのでは? 医療をきっかけに様々な社会問題を考えさせてくれる、そしてもちろんエンターテイメントとしても十分に楽しめる、これだけでも『シッコ』は観る価値十分。
《シネマカフェ編集部》
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