なぜ彼は米国の敵となったか? 『PEACE BED アメリカ VS ジョン・レノン』
ビートルズのメンバーとして、伝説的ミュージシャンとして、いまなお不動の人気を誇るジョン・レノンの平和主義者としての実像に迫るドキュメンタリー。圧倒的な人気を誇るトップスターでありながら、アメリカ政府にとっての危険人物と見なされたジョン・レノンの戦いを、妻、オノ・ヨーコら30余人におよぶ関係者へのインタビューや未公開の映像と共に紐解いていく。
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純粋な気持ちで平和を愛するミュージシャンがなぜアメリカの敵と見なされたのか、なぜFBIの監視や盗聴の対象となったのか、なぜ国外退去命令を受けるまでに至ったのか…。数々の“なぜ”が彼の名曲と共に次々と解き明かされていく展開が劇映画以上にドラマティック。
恐れを知らぬ若きスター時代を経て唯一無二のソウルメイトと出会い、世界に向けて自分の考えを発信するまでに至った人間の変化の物語としても楽しむことができる。
また、ジョン・レノンとの思い出に声を詰まらせるオノ・ヨーコのインタビュー映像には、涙を誘うラブストーリー以上の切なさが。夫として、父として幸せな時間を過ごすジョンの姿にも注目だ。
自らの信念を発信するというシンプルな行為が糾弾される理不尽な状況は、イラク戦争に揺れる昨今のアメリカでも見られたこと。いま観て、それぞれが感想を持つべき1作。
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