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『マリと子犬の物語』のドッグトレーナー「犬の首を傾げさせる方法? 企業秘密です」

2004年の10月に発生した新潟県中越地震のさなかに被災地に取り残されながら、たった1匹で3匹の子犬を守り通し、失意の被災者を勇気づけた犬のマリの実話を映画化した『マリと子犬物語』。本作で観る者の心に迫る演技を見せてくれたマリ役の柴犬・イチのトレーナーである宮忠臣さんに話をうかがった。

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『マリと子犬の物語』でマリを演じた柴犬のイチとドッグトレーナの宮忠臣さん
『マリと子犬の物語』でマリを演じた柴犬のイチとドッグトレーナの宮忠臣さん 全 3 枚
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2004年の10月に発生した新潟県中越地震のさなかに被災地に取り残されながら、たった1匹で3匹の子犬を守り通し、失意の被災者を勇気づけた犬のマリの実話を映画化した『マリと子犬物語』。本作で観る者の心に迫る演技を見せてくれたマリ役の柴犬・イチのトレーナーである宮忠臣さんに話をうかがった。

「トレーニングをしたことのない動物はクマぐらい」と語る宮さん。主役となる犬を見つけるポイントについては、“性格の良い子”を挙げる。
「誰にでもなつく、どんな場所、状況でも物怖じしない…つまり肝っ玉が据わってるというのを僕らは“性格が良い”と言うんです。見てくれは気にしません。とにかく性格が良くて健康な犬を探します。実は、あまり頭の良い犬はダメなんです。確かに言うことを聞いてくれると、指示してるときは気持ち良いんですが、画面で見ると僕らの指示が全て画に出てきてしまうんです。イチの場合は柴犬を専門に扱っているブリーダーの方に相談をしました」。

しかし、柴犬はほかの犬と比べて難しいとのことだが…。
「柴犬に限らず秋田犬など、いわゆる日本犬は難しいですね。誰にでもなつくことが少ないんです。飼い主以外には噛みついたりして、平常心で動ける柴犬はそうはいません。イチの場合は4〜5か月トレーニングをしました。イチは日本犬として最高の犬。こういう子はめったにいないです」。

本作以前にも『南極物語』『子ぎつねヘレン』など数々の映画に参加してきたベテランの宮さんでも、本作の台本を見て頭を悩ませた。
「台本に書いてある全てが不可能だと思いました。『こんなこと出来るわけない!』と打ち合わせでも言いました。瓦礫の山を掘ったり、子犬をくわえるなんて、柴犬にこんなことさせられるわけない、と本当に頭を抱えましたよ。実際の撮影でも、子犬が絡むシーンは本当に大変でした。イチだけであれば行動は読めますが、子犬、しかも3匹が一緒にというのは非常に難しかったです。でもみんなに手伝ってもらいながら、ああでもない、こうでもないとやっていくのは楽しかったですね」。

では、特に気に入ってるシーンは?
「やはり瓦礫のシーンです。ここはトレーナーとして自慢できますね。瓦礫をただ、掘るだけではなく、板をくわえていましたよね? あれは驚きました。『こいつ、こんなことまでやってたのか!』って。掘らせるだけで精一杯かと思っていましたが、板をくわえて引っかいて、というあの必死さは、観る人は『すごいな』と思いますよね」。

劇中、マリが首を傾げるシーンがあるが、あれは偶然? それとも訓練の賜物?
「必殺技があるんです。みんなに覚えられると困るんですが(笑)、何かの拍子に見つけたんです。全ての犬ではないですが、90%の犬は、マリのように『あれ?』という顔になりますね。やり方は企業秘密(笑)。指示するわけではなく、僕があることをすると、あの反応をするんです」。

「完成した作品を観ても、子供ばっかり見てしまう親心みたいなもので、イチばかり気になってじっくり観れないんです」と笑う宮さん。映画を観ながら、犬たちのちょっとした動きや表情を注意深く追ってみると映画がさらに楽しめそうだ。

『マリと子犬の物語』は12月8日(土)より全国東宝系にて公開。
『マリと子犬の物語』公式サイト
http://mari-movie.jp/index.html

《シネマカフェ編集部》

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