ファッション小噺vol.71 セレブを裸にするフォトグラファー、その刺激的な半生
第80回アカデミー賞外国語映画部門に、浅野忠信主演の『モンゴル』がノミネートされましたね。日頃、スクリーン外では冷静沈着なイメージのある浅野氏ですが、この嬉しいニュースを受けての会見では、かなり興奮気味。見ていて、こちらまでウキウキさせてくれる表情でした。こうなると、浅野氏のみならずどうにも気になってしまうのが、授賞式が予定通り行われるのかどうか。ぜひ、世界中が注目するレッドカーペットを、これ以上ないほどのキメキメファッションで闊歩してほしいものです。
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俳優としての才能は映画で観てもらうとして、レッドカーペットでの存在感や立ち振る舞いも、その後の活動にかなり影響するもの。映画の中では、カッコいいのか悪いのか判断しかねる姿をしていたりしますから、素のかっこよさを思い切り見せつけて、「なんだ、本物はサイコーにかっこいい!」と思わせたら、メディアの露出も違ってきます。つまり、レッドカーペットは、俳優として国際的な舞台を視野に入れた絶好のアピール・スポットなのです。
ここで上手く自分の魅力をアピールできたら、到達するのは世界的セレブリティの世界。でも、有名なだけでは真のセレブではありません。では、真の国際的セレブとは? それを確認する方法がひとつだけあります。それは、アニー・リーボヴィッツの被写体になったかどうか。
「アニーって誰?」「リーボヴィッツ、Who?」と思った方、全裸のジョン・レノンがオノ・ヨーコに抱きついて(巻きついて)いる写真、デミ・ムーアの妊婦ヌード写真を見たことはありませんか。あれが彼女の作品です。ローリングストーン誌、ヴァニティ・フェア誌、ヴォーグ誌、GAPの広告、元ルイ・ヴィトンの広告などで最高にクールなヴィジュアルを創り出している、この超有名フォトグラファーと仕事をせずして、一流セレブとは認められないのです。
この春には、そんなリーボヴィッツの半生を追ったドキュメンタリーが登場。『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』です。彼女の生い立ち、人柄、カメラとの出会いはもちろん、いまの地位までどのように登りつめたのかまでが、彼女と付き合いの深いセレブたちの証言も交えつつ、実の妹によって記録されています。これが、実に興味深い! ジュリア・ロバーツから、ジョージ・クルーニー、オノ・ヨーコ、ローリング・ストーンズ、アナ・ウィンター、そしてヒラリー・クリントン、英国のエリザベス女王まで、百戦錬磨の人々に絶大なる信頼を寄せられ、新しい顔を引き出すアニー。やっぱり、世界の頂点に立つ人間には、やはり特別な“何か”があるもの。ガードが堅いセレブたちの、身も心も裸にしてきた彼女の“何か”に刺激を受けて、なんだかやる気になってしまえる、不思議な魅力を持った作品に仕上がっていますので、お疲れ気味の方はぜひ。
《シネマカフェ編集部》
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